緑色の君を



※若干性描写匂わせる雰囲気につき注意※








「アズールさんとこの度付き合うことになりました」


ニコリ、アズールさんに腕を絡めて微笑むと軍から驚きの声が上がった。それもそうだろう。軍の主力の人達で未婚なのは私くらいだったのだ。後それとさっきであったばっか、という事もある。皆それぞれざわめき、どよめいた。

「え……と……ルフレ、さん……」

「はい何でしょうお義父さま」

「その言い方は色々語弊があるからいつも通りソールでお願いします!……その、本気……なの?」

「冗談言うと思います?」

またニコリ。てきとうに笑うとソールさんが何とも言えない顔をしていた。オリヴィエさんも同様に。
息子が未来から来たと思ったら彼女(同い歳)作ってるんですもんね。驚くか。

ふふふ、上機嫌にアズールさんに擦り寄るとアズールさんは顔を逸らした。あらあら?おかしいなぁおっぱい当ててますよ?

「私が一目惚れしたんです。てなわけでこれからも共々よろしくお願いしますね」

「ルフレ…お前そんなに飢えていたのか……?」

うるせぇ攫ってきた村娘とデュアルアタックでもしてろ。
無言でとりあえず性王をトロっておいた。


◆◇◆



「産まれる前に手を出すとか犯罪じゃね?」

私の天幕に入ってきて開口一番にそう言ってきたガイアさんという失礼な人間にとりあえず目の前で高級菓子を叩き割ってやった。
……おい待てやめっそれは俺が苦労して手に入れた!!あー困ります!!困りますお客様アーーーッ!!とか言ってたが誰がお客様だ。どこぞの貧乳ペガサス騎士とイチャついてろ。

「せっかくいいムードだったのに……」

「えっと……どこが?」

「……そ、それを聞きますか……」

「なんで照れるの……」


私の目の前にはテントの仮置きのベットに身動き取れないように拘束されたアズールさん。顔色は心做しか悪い気がする。熊肉を後で食べさそう。
ちなみに私はそんなアズールさんに乗っかている状態だった。まったく……テントにも鍵は必要ですね

「てっとりばやく、既成事実を作ろうと思いまして」

「……そんな事しても僕はあなた"なんか"に惚れませんよ」

「……なんか、ねぇ」


連れないこと言わないで下さい、そう言って彼の服に手をかけると彼は抵抗しない。否、出来ないと言った方がいいだろうか?
うーん、?せっかく童貞を捨てるわけですし、(私も処女だが)もう少し夢がある方がいいか。と隠し持っていたパラレルプルフを取り出して問答無用で使った。






「は……花嫁……」

「どうですか?いいクラスでしょう?」

異界のアンナ、という行商人に貰った特別なものだ。白いレースをたっぷり使われたドレス、純白のベール。たわわな胸元は程よく露出されている。これでこの前は杖を使える様にしようとしてたんですよ。再び服を脱がそうとすると、重い……ぽそりと言われた言葉は聞き流す。
愛が重い?愛は重くてなんぼじゃないですか!

「童貞捨てるのなら夢あった方がいいかと思いまして」

「夢も糞もないよ……好きでもない女性と」

なんて、彼がそう言いきる前に彼の服を引き裂いた。
あら、手が滑った。

「私のこと好き、でしょう?」

「っ……」

「ねっアズールさん。好き、でしょう?」

純白のドレスに浮いているその"紋章"がある手で彼の頬をなでた。アズールさんは、何かを言いかけて、口つぐむ、そして小さく、か細い声で

「好き……ですよ」

「ふふ……私もです」

次は愛してる、って言ってくださいね?















「香水が欲しいです。アズールさんの選んだ」

"事"が終わって私は愛おしい彼の手を握って白なのに"白"で汚れたドレスを脱いで、彼に擦り寄った。


「香水……?」

「ええ香水です。女の子にプレゼントするのは紳士の嗜みでしょう?」


人生であれほど嬉しいプレゼントは無かった。もらえた時は心から嬉しかったのをよく覚えている。だから今回も欲しくて手っ取り早くお強請りをする。そうするとアズールさんはわかりやすく顔を歪ませた。なんですか照れてるんです?照れてるアズールさんから"いい返事"を貰うために「今のクラスなら経験の低い戦士なんて簡単に殺せますね」と笑ったらアズールさんが「ルフレさんっ!!」、そう叫んで私を握る手に力を込められた。弱冠痛いです。


「香りはお任せしますけど出来ればプルメリアがいいなぁ」
「……適当に見繕っておくよ」

だから仲間には何もしないで。彼は吐き捨てるようにそういった。


あらら?なんか日に日に好感度下がってる気がするのとやっぱりどこかがキリキリする。

いや、きっと気のせいでしょう。



プレゼント楽しみだなぁ、と一人呟くとアズールさんは苦虫をかみ潰した顔をしていた。


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