何も見ず
何も知らず
そうやって心の中から
関心を無くしてしまえたら
どれだけ楽なんだろう

一度見てしまったから
一度知ってしまったから
情が湧いて
簡単には手放せず見放せず
再び得ようとしてしまう

ダメなんだ
もうこれ以上
愛することはできない

片時も離れないと約束した
一生愛すると誓った

それを破って
振り払った
もう近寄らないと
心を寄せるものかと
意地になって
頑固になって

ぽっかりと空いた穴
何をしても埋まらず
それはまるで
パズルのピースのように
形が合わなければ嵌らない

どうして
どうして出会った
目の前にある壁は
遥かに高く越えられないのに
まるでそんなもの無かったかのように
心の中に入り込んで
決して交わることのない視線さえ
交わっているかのように
錯覚を起こす

会えたら良いのに
触れられたら良いのに

叶うことのない欲望ばかりが
巻き起こす期待と絶望
辛いのは嫌だと
苦しみたくないと
あれだけ泣き足掻いたのに
やっぱり戻ってきてしまうんだね

君を慕う
今日も呆れるほど
遠くの存在を抱き締めようと
両腕を広げ
何も居ない自分の胸元を抱え込む

囁いて
愛してるなんて
ありきたりな言葉
だけど
決して誰にも伝わらない言葉

君じゃなきゃダメなんだ

ごめん
見つけた時から
もう奪われていたから
何もかも

こんな歌でも良ければ
受け取ってほしい

歌詞の無いフレーズと
流れるだけのメロディー
浮かんでは沈んで
そうやって表していく
心の奥底の波

できることはここまでだ
ここから先は君が考えて

歌詞もタイトルも
君にあげる

そうして完成させて

終わりのない歌

決して止まることのない
決して嵌まることのない
決して埋まることのない

終わりのない

君への歌





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