ダダダダダダダダダダダダ

バンッ!

「兵助見なかった!?」

慌ただしく現れたのは、いつも温厚でどこか抜けた感じの勘右衛門だ。
でも、今日は様子が違うようで勘右衛門は何故か割烹着を来て少し怒っているように見えた。

「見てないけど、どうかしたの?」

僕と三郎は何事かと思い勘右衛門に尋ねると勘右衛門は兵助がちょっとね、と握り拳を作りながら呟いた。
その時、朝から毒虫探しで学園中を走り回っていた八左ヱ門が此方に気付いて手を振りながら走って来たが、勘右衛門を見た瞬間ピシリッと効果音が付くように止まった。

僕と三郎はいきなり止まった八左ヱ門を不思議に思ったが、その答えは勘右衛門が八左ヱ門の方に振り向いて兵助を見なかったか、と尋ねている時に分かった。

「かっ勘右衛門なんで服着てないの!?」

勘右衛門は割烹着の下に何も着ていなかったのだ、八左ヱ門が固まる訳だ。
どうやら、朝寒さで目覚めた勘右衛門は掛け布団が無くなっている事そして自分が裸なのに気付いたらしい。
驚いた勘右衛門は慌てて寝間着を探したが見当たらず、あまつさえ忍装束や褌さえも無くなっており布団の隣に割烹着だけが置かれていたようで、流石に何時までも裸でいる訳にもいかず割烹着を来て自分をこんな状況に貶めた張本人であろう兵助を探している最中のようだ。

「兵助の奴、人の服持ってどこ行ったんだ!!」

勘右衛門はそういってまた兵助を探しに行こうとしたので僕は慌てて引き止めた。
だって後ろからいろいろ見えまくりな訳で、こんな状態の勘右衛門をほっとく訳にはいかない、と僕は以前三郎がどんな意味でくれたのか分からない割烹着を勘右衛門に差し出した。

「これで後ろ隠して!!」

「えっ!?」

驚いている勘右衛門に構わず僕はそれを無理矢理勘右衛門に着せた。
勘右衛門は苦笑いを浮かべながらありがと、と呟いたので気にしないで、と答えた後、勘右衛門はまた兵助探しを再開した。

ホッした僕は未だに固まっている八左ヱ門を正気に戻し、何故か途中から笑い出した三郎に理由を聞くと何故勘右衛門に寝間着を渡さなかったのか、と尋ねられて僕は一気に自分がした事が恥ずかしくなり必死に寝間着を引っ付かんで勘右衛門を追いかけた。






(勘右衛門のお尻は今日も可愛いな)
(意味不明な事いってないで早く返してやれ)




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