明け方、何やらいつもと違う違和感を感じて目が覚めれば隣に自分が寝ていた。
その光景にまだ夢でも見ているのかと思い頬を軽くつねってみたが夢ではないぞと知らしめる様にしっかりと頬に痛みを感じた。
自分の布団に入って寄り添う様に寝ている自分と瓜二つの彼を見れば、確かにどこぞの双忍の様にそっくりだが唯一髪の色だけが違っていた。
隣ですやすやと眠る彼の髪色は真っ黒、対して自分の髪色は赤みががった茶色だ。
彼の髪を一房掬い取れば夢でも幻でもないようにしっとりと手に馴染む髪質の触感を感じ取る事が出来る。
一通り彼の髪で遊び、それから未だに気持ちよそうに眠る彼のもちもちしてそうな頬を突っついたりちょっと摘んでみたりしながら遊んでいれば、彼が少しくぐもった声を上げたので流石に目を覚ますかと思えば眉間に皺を寄せるだけで、またすやすや寝息を立てだした。
相当安心しきって眠っている彼が何だか可愛く見えて自分でも頬が緩んでいくのが分かる。
さて、これからどうしようかと頭を悩ませていれば、むくりと同室の彼が目を擦りながら起き上がった。

「おはよう兵ちゃん」

「ん…おはよう…」

まだ眠そうに目を擦る彼、久々知兵助がやっと部屋の違和感を感じ俺の隣にいる人物を見てこれでもかという程に目を見開いて驚いている。

「勘右衛門…それ、なに?」

「さぁ?」

俺の返答が気に食わなかったのか兵ちゃんは眉間に皺を寄せて睨んでくるが知らない物は知らないのだから仕方ない。

「起きたら居た」

「誰かが変装してるとか?」

それはないな、と答える俺に兵ちゃんは、何で違うと言い切れるんだ?と聞いて来たので兵ちゃんが起きるまでに彼の頬を突っついたりして遊んでいたから、と答えた。

「ふ〜ん…。で、どうするんだそれ?」

「え?勿論飼うよ?」

飼うって犬猫みたいにいうな、と兵ちゃんに怒られた。
まぁ、確かに飼うって言葉はちょっと正しくないけど、自分とそっくりな彼を放り出す様な事は出来ないので彼が起きたらいろいろと話を聞いてきちんと面倒を見るつもりだ。




初めまして、そっくりさん


(…んっ……。)
(あっ起きた?)
((おはよう))
(おはようございます?)
(あはははは)
(えっ?あれ?えっ?!)




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