可愛い可愛い可愛い可愛い。
大事な授業中だというのに、頭の中は大好きな君の事でいっぱいです。
朝、起きた瞬間から君に釘付け。
君から目を逸らす事なんて出来ず君の一喜一憂する姿が可愛くて改めて可愛いなぁ〜と思う毎日です。
そして、その日はそろそろ寝ようかと布団を敷いている時だった。

「兵助さぁ、今度の休み暇?」

「今の所、何も予定は入ってないけど…?」

そっか、あのね…今度の休み一緒に町に行かない?、と話す勘右衛門に対して俺は迷う事なく行く、と答えていた。
勘右衛門は嬉しそうにはにかみながら、良かったぁ〜、それじゃあ今度の休み楽しみにしてるね、おやすみと微笑んで勘右衛門は眠りについた。
勘右衛門と任務以外で一緒にどこかに行くのは久しぶりだ。
もし、委員会が急遽入ったとしても俺は何が何でも行く気満々だ。
俺が受け持つ火薬委員会の後輩達はタカ丸さん以外はしっかりしてるし、何かあってもちゃんと自分達で対処出来るだろう。
今度の休みが今から楽しみ過ぎてちゃんと眠れるか心配だ…

そして、それからの俺は約束の日に委員会や任務の話が入らないようにと持ち前の頭脳を駆使し全ての事柄に対し先手を打って仕事を済ませたりと忙しい毎日が続いた。
そしてやっと待ちに待った約束の日、俺は明日いよいよ勘ちゃんと出かけるのかと思うと眠れず、不覚にも寝不足気味で足元が覚束無い状態だった。

「兵助大丈夫?」

「だ‥大丈夫…」

ほんとに大丈夫?と心配そうに声をかけてくれる勘ちゃんに、俺は大丈夫大丈夫で、どこに行くの?と聞くと勘ちゃんは心配そうな顔はそのままに、うん‥あのね、兵助ならもう知ってると思うんだけど最近美味しい豆腐料理を出してくれるお店が出来たんだって、とにこっと笑って話してくれた。俺はそれを聞いて、もしかして俺の為に勘ちゃんは今日一緒に町に行こうと誘ってくれたのかと思うと嬉しくて、公衆の面前だという事を忘れて勘ちゃんを抱き締めた。

「っ‥へいすけッ?!」

「勘ちゃん大好きだッ!!」

勘ちゃんは驚きで、まん丸目を更に丸くして凄く焦りながら分かった!わかったから放してッ!!と茹で蛸のように耳まで真っ赤にして訴えて来た。
俺はそれを見てまた可愛い、とぎゅっと勘ちゃんを抱きしめた。
そんな俺達を見た周りのおばちゃん達が、あらあら若いっていいわね〜とくすくすと話しているのに気付いた勘ちゃんが周りの人に見られてるという羞恥心で涙目になり始めたので名残惜しいが解放して上げる事にした。
俺が勘ちゃんを抱きしめる腕を緩めた瞬間に勘ちゃんは勢い良く俺の手を引っ張って走り出した。

「兵助の馬鹿馬鹿馬鹿ッ!!」

「ごめん…。勘ちゃんが可愛くてつい」

何がついだよ!ほんとに反省してるの!?と走りながら振り向く勘ちゃんに、した‥ちゃんと反省したから怒んないでと答えれば勘ちゃんは、もうッ!次やったら兵助とはもう一緒に出かけないからね!!といわれた。
その言葉は俺にとって、お前はもうこれから豆腐を食べるなと宣言される事と同じくらいの衝撃的で破壊力のある意味合いの言葉だったので俺は真剣に気を付けようと肝に誓った。

「そういえばあのおばちゃん達、勘ちゃんの事女の子と思ってたのかな?」

えっ、なんで?と機嫌の戻った勘ちゃんが可愛く小首を傾げて聞いて来たので、だって男同士が道のど真ん中で抱き合ってたらあんな暢気に見てないだろ?








(お‥おんな…のこ……)
(勘ちゃん?)
(俺、これから肉類いっぱい食べて八左ヱ門の毒虫探しも
いっぱい手伝うッ!!)
(えっ?えっ??なんで?!)




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