君の隣に居られる、ただそれだけで僕は幸せです。

今は勘ちゃんと二人で一緒に縁側に座って、食堂のおばちゃんに貰ったおはぎを食べながら、まったりとみんなが来るのを待っている最中です。
因みに八左ヱ門は毎度の事ながら毒虫の脱走で走り回ってる最中で、兵助は伊助に呼ばれて委員会に行ってるし、三郎も庄左ヱ門と彦四郎に連れられ渋々委員会に行きました。
だから、みんなが戻って来るまで勘ちゃんと二人っきりです。
二人っきり…二人‥っきり…?
どっ、どうしよう!?二人っきりなんて何喋ったら良いんだろ!?
今日の授業の事とかかな?あっ、でもい組の勘ちゃんにろ組の授業の事とか話しても面白くないよね!?
ああ、どどどうしよう?!

今更ながら勘ちゃんと二人っきりだと思ったら、何だか恥ずかしくなって何を話たらいいのか分からず、僕は一人あたふたとし出した。

はぁ〜、情けない。
好きな子が隣に居て、しかも二人っきりという絶好のチャンスなのに、僕はいつもの迷い癖を発揮してしまっている最中です。
ここで男らしく、勘ちゃんに好きです、っていえたら良いのに…
でも、もし告白して嫌われた挙げ句に口も聞いて貰えなくなったら…
駄目だそんなの!そんな事になったら、僕生きて行けない、そんな事になるくらいなら告白なんてせずに今の友達の関係のままでいい…
でもそうじゃなかったら、何てそんな事を僕が一人悶々と考えていると、僕の様子がおかしい事に気付いた勘ちゃんが心配そうに声を掛けて来た。
僕は、なんでもないから気にしないで!と答えると、勘ちゃんは一瞬ムスッとした後になんでもないなら別に良いんだけどね、といってまたおはぎを食べ出した。
あれ?何だか勘ちゃんの機嫌が悪くなったような気がするんだけど、気のせいじゃないよね?だってさっきまで、にこにこと幸せそうに食べてた顔が、今は頬をぷっくりと膨らませておはぎを食べているから。
もしかして優柔不断な僕と一緒に居る事で気分を害したんじゃ!?
どっ、どうしよう?!もしそうだとしたら…
そんな事を考えだしたら今度は何だか泣きそうになってしまった。
それに気付いた勘ちゃんは、怒っていた顔を今度は驚きの表情にしてあたふたとし出した。
そんな、あたふたする勘ちゃんを見て可愛いな〜なんて思う僕は重症だと思う。

「雷蔵やっぱり何か悩み事があるんだろ!?俺で良ければ何でも聞くから!」

だからそんな顔しないで、と勘ちゃんの両手が伸びて来て優しく頬を包まれた。
勘ちゃんが泣きそう顔をして自分の事を心配してくれている。
そう思うと何だか嬉しくて、僕は自分の頬を優しく包む勘ちゃんの手に自分の手を重ね、素直に勘ちゃんに嫌われたかと思った、と話した。

「俺が雷蔵の事嫌う訳ないだろ!だって俺は雷蔵の事が」

「えっ?」

顔を赤らめて話す勘ちゃんにまさかと期待してしまう。
その先を聞きたくて、勘ちゃんの事をじっと見つめていると勘ちゃんがハッとしたように赤い顔を更に赤くして、なっ‥何でもないから!今のは忘れてっ!!と僕からサッと離れてしまった。
今の流れと勘ちゃんのこの反応、もしかしなくても、これは両想いってやつだよね!?
もし、そうだとしたら僕が今取るべき行動は一つしかない!
僕はそっと勘ちゃんに近付き、俯いてこっちを見てくれない大好きな彼の耳元で、ずっと前から君が大好きです。とそっと呟いた。



CO2


(そこだ雷蔵!押し倒せ!!)
(なにやってるんだ?)
(兵助か、私は今雷蔵の恋の行方を温かく見守っている所だ)
(ふ〜ん…あっ、八左衛門)
(八左衛門、貴様ぁあああ!!)



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