「こんな喜ばしい事があって良いのだろうかっ!!」

ハハハッ…何が喜ばしいかだって?
それは、私の癒やしであるマイエンジェルの雷蔵と勘右衛門が、今日は私のいう事を何でも聞いてくれるというのだ!
何でもだぞ!!これを喜ばずにいつ喜べというのだ!!
だが、ほんとにこんな喜ばしい事があっても良いのだろうか!
もしやこれは夢ではないのか?
否、夢だとしても私は甘んじてそれを受け入れよう!

「それで三郎は何をして欲しいの?」

「よくぞ聞いてくれた!」

だから、さっきからずっと聞いてるだろ、馬鹿なの?ねぇ、馬鹿なの?と雷蔵に半ば脅されるように聞かれたがそんな事は気にならない!
ああ、二人に一体何をして貰おうか!!
二人にあんな事やこんな事をお願いしても良いのだろうか!!
あっ、やべ鼻血出て来た…
私は一人にやけながらぶつぶつと考え出した。

「ねぇ雷蔵、鉢屋どんな事いって来ると思う?」

「まぁ、どうせくだらない事だろうけど、変な事いって来たら全部却下するから勘ちゃんは心配しないで!」

そんな二人の会話など露知らず、あ〜だこ〜だと悩みに悩んだ末に願いを二人に打ち明けた。


***


これは、一体何の冗談だ?俺の…
俺の勘右衛門がぁあああ!!ガクッ…

「だっ、大丈夫か兵助!?」

委員会が終わったので、勘右衛門と一緒に夕食を食べようと思い部屋に迎えに行ったが居らず、先に行ったのかと思い食堂に向かっている途中で八左ヱ門と会ったので、一緒に食堂に来てみれば俺の目の前では鼻の下を伸ばした間抜け面の三郎と、その三郎を真ん中に挟んで勘右衛門と雷蔵が両側にいる。
そしてあろうことか、その二人にあ〜ん等といわせて食事を食べさせて貰っている三郎がいる。
雷蔵はいいよ…ほら、三郎とは双忍で通ってるし、ろ組だし、同室だし二人でイチャイチャしてればいいよ…だが、だがな!

「そこに勘右衛門を入れるのは納得がいかんっ!!」
俺のその怒声に気付いた三郎は、おっ兵助、八左ヱ門遅かったなぁ〜と手をひらひらさせている。
何だそのどや顔は?無性に腹が立つ!
勘ちゃんも俺達に気付いて、にこにこと笑いながら手を振ってくれた。
マジ可愛い!さすが俺の勘ちゃん。
俺は複雑な心境で、おばちゃんから定食を受け取り三郎達の所に行って見れば、三郎が二人の腰に手を回し、さも自慢げに此方をにやにやと見ていた。
その光景に俺はまたもや愕然とし項垂れた。
ハハ…危うく今日の晩飯を落とす所だった…
誰か、なんでこんな状況になっているのか説明してくれっ!!

「では、説明してやろう」

「人の心の中を読むな」

三郎が相変わらずの、にやけ顔で嬉々として説明し出した。
意味がよく分からんが、今日は暦上自分を敬う日なので、俺と八左ヱ門にも自分を敬え等とほざきやがった。
八左ヱ門は、そうなのか?んじゃ、今日の定食のおかず何か分けてやるよ!等と三郎に話すので、俺も勿体無いが定食の豆腐を三郎にくれてやった。






3月26日
さぶろうのひ



(俺が豆腐を他人にやるなんて勘ちゃん以外有り得ないだからな
有り難く思え)
(顔面に豆腐くらって喜ぶ馬鹿がどこに居るんだっ!?)
(俺は嬉しいっ!!)
(三郎も兵助も落ち着けって)
((八左ヱ門は黙ってろっ!!))
(グハッ!!?)





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