family
ふと窓の外を見ると、もう日が傾き始めていた。
洗濯物をたたみながら、もうそんな時間かと驚く。そろそろ晩御飯の準備をしなければならない。
神楽が出かけてから結構たっているので、そろそろ帰ってきそうだ。
銀時はというと、さっきからソファーに寝転んで、愛読書ジャンプを読んでいる。
なんで、銀さんの家なのに僕がこんなことしてるんだ。あれ、なんかいらいらしてきた。

「銀さん、ジャンプなんか読んでないで手伝って下さいよ。」
「あー?ジャンプなんかってなんだよ。ジャンプは偉大なんだぞ。夢と希望がつまっててなぁ。」
「銀さんには必要ないと思いますけど。っていうか、仕事しないで何くつろいんですかって言ってんだよ。あんたの家なんだからちゃんとやって下さいよ。いい加減、出すもの出してくれないと出て行きますよ。」

自然とため息をついた。僕こんなところで働いてていいんだろうか。
姉上もいるし、転職した方がいいのかな、なんて考えが頭をよぎる。

「何、新八君ため息なんかついて。しょうがないなぁ。ここは優しい銀さんが一肌脱ぐか。」
「あー、はいはいありがとうございます。」

銀時は新八の隣に座って、洗濯物をたたみ始める。
最初からうしていればよいのだ。横目で見ながら、そう思う。
銀時はなんだかんだいいながら、結構真剣にたたんでいるようだ。
その姿がなんだかおかしくてつい吹きだしてしまった。

「おい、なんだよ。」
「いや、銀さんが洗濯物たたんでる姿が似合わなすぎて…」
「ひっでぇな。やらせてといて。まぁ、俺は新八がたたんでる姿好きだけどな」
「えっ」
「っていうか。家事やってる姿全部だけどな。」

心臓が少したかなった。どういう意味だ、それは。
ドキドキしているのをおさえながら平然と新八は言う。

「何ですか、それ。」
「んー。家族みたいじゃん。なんか。」

あ、そういう意味か。なんか拍子抜けした気分だ。
さっきの少し胸が熱くなるような感じも消えていた。

「ただいまアルー!」
「うるさいのが帰ってきたな。新八ー、今日の晩飯何にすんの?」
「そうですね。あっ、おかえり神楽ちゃん。今日のご飯何がいい?」
「卵かけご飯がいいアルナ。」
「また、お前それかよ。いい加減栄養とか考えろ。」
「糖尿に言われたくないネ。」

鍋なら材料を買いに行かないとと二人のケンカを聞きながら思う。

「家族か。」

まるで子供が二人いるようだ。
そんなのはご免だが、決して嫌な気分にはならない。
むしろ。

「もう、二人とも。買い出しにいきますよ。」

今日も、仲良く歌舞伎町を歩く3人の姿があった。




一作目。一応ほのぼの銀新。

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -