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「ハンバーガー2個と、ダブルチーズバーガー3個、ナゲット2個にポテトLサイズ1個、あとアップルパイとシェイクください!」

「…」

今日ははローと久しぶりのデート。午前中に映画を見て、マックにお昼ご飯を食べに来た。ローはわたしを呆れ顔で眺めながら笑顔を絶やさない店員さんに「コーヒーとポテトM」とだけ告げた。明らかに注文の量は逆だろう、ということは置いておいて、わたしとローはトレイを持って空いてる席に座った。

「いただきまーす」

さっそくハンバーガーにかじりつく。ローは注文したにも関わらずポテトには手をつけず、コーヒーをずずっと啜っていた。

「…相変わらずすげェ量だな」

「ローが少なすぎるんだよ」

「明らかにお前が多すぎる」

ローがやっとポテトに手を伸ばしたところでわたしはハンバーガー3個目にとりかかる。合間にポテトとナゲットに手を伸ばすのも忘れずに。

「おいひーい」

「太るぞ」

「全部胸に栄養行くからいいもーん」

「その割には貧相な胸だな。俺が毎回あんなに揉んでやってるのに一向に大きくならねェ」

「マジで一回黙れって」

ハンバーガー4個目、完食。ローはポテトを半分も食べてない。本当に少食だよなー。だからこんなにひょろいんだよ。なんて考えていたら不意にローがわたしに手を伸ばしてきた。そして親指でぐいっと口元を拭った。

「ケチャップ」

そう言ってローは親指についたケチャップを舌で舐めとる。わたしはハンバーガーを持ったまま、不自然に目を泳がせながら口の中で小さくありがと、と呟いた。

「真っ赤、」

そう言って楽しそうに笑うローが憎らしくて、でも格好良くて。


いっぱい食べる君が好き


(…食べてる姿が可愛い、なんて言ったらさらに食べる量増えそうだから、絶対言わねェけど)
(…でもやっぱ可愛い)






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