2101-2200


何かを足りなくさせる音
なんて手軽で重い願いだろう
自分辞書に登録される言葉は
新たな階層へ移行する証
「虹色に汚れてしまったの」
思い出さねばならないものがあったのに
やさしい笑顔で迎えに来るの
独特の味を楽しむ午前二時
ぽっかり照らす白い丸
少女の持つ林檎の赭

新しく作ってまで誰の気を引きたかったの
うーんと考え込みました。
奇妙な捕縛
惑う詩情は錐揉み落下
嗚呼嗚呼どこへ 連れてくの
落ちて来るのは抜殻
どこにオモチャの指輪をはめるだろうか
智恵の実ではないらしい
「樹にも骨はあったの?」
私に詩情を灯しておくれ!

神様を孤独という獄から救い出して
首のない少女の噂
血に塗れたら呪いがかかるから
忘れかけの母性には
―なあ、ありゃあ、誰だ
血はケチャップで代用しました
彼岸の水は飲んではならぬ
ただ新鮮な色が見たい
宇宙へ普く光
今まで感謝しなかったものへ

詩人(しにん)に口無し
屍肉を漁るスカベンジャー
詩を詩たらしめるもの
何故か憎らしいとさえ思う気高さに
探し回る内に昇天
一瞬で闇を薙ぐ暖かさで迎えて
点滅、点滅、点々々…
突き進むさまはさながら白虎
ああ、この妄想狂が
わたしもぼうれいなので

内なる叫びを笑っておくれ
やけに美しいのは奇妙な夜明け
忌むべきは何だ、私かおまえか
少なくとも悲鳴を上げることはできた
探し物はなんでした?
自分の中の子供を殺すことが出来た
キャルコパイライトに似た捻れ
哀しみは遠くあるように思えた
何でもない人間の手によって
冷たい光は雪さえも溶かせず



頭の中滲む滲む赭
考えないと死ぬ魚
楽観は一種の狂気
迷子の迷子の詩人ちゃん
全生物のプロフを記憶している神の驚異の記憶力
連鎖連鎖のお祭り騒ぎ
妄想列車は今日も行く
月光浴しませんか
詩肉のスカベンジャー
妄想狂ほのぼの散歩誌

切断人間奇憚
脳髄の奴隷
首なし言葉
血管さえも繋ぎ合えたら
幽霊列車が突っ込んだ
敵視した者に向ける笑い声
死体詰め放題
君の脳髄は生温い
暴力的な空気
感染妄想ハイぺリオン

弾けろ柘榴マシンガン
妄想花畑で大レース
呟かれた言葉の数々選り取り見取り
八裂死体と踊りませんか
缶詰に愛を込めて
凍える背中を放っておけない
四次元バーコード
怪奇紅美術館
理性を串刺しにした奴出て来い
痛みの草原

組み立て式ヒーロー
自分くらいは愛しなさいよ
夕霧を裂く赭い線
4:43の緊張、4:45の弛緩
闇さえ劈く悲鳴を聞いた
インスタント食品並の手軽さで
あの神でさえ成し得なかった創造
そう、私は君の声を聞いたんだ
遅い夜明けが魅せた横顔
白日のもとに晒される胸の内と傷が語る、

やりにくいと愚痴る殺し屋
クリーム色の空に違和感
その大剣は君に相応しい
幻想耽美ゼンタングル
電話に毒を仕込んで
見えない毒針の恐怖
夢を考察しては眠る者
詩屍累々
煙草の煙ぐるぐると巻き取れ
突破しろ、力は与えた


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