0301-0400
悪夢の苗床
落下傘花火へ仕掛けたメッセージ
不眠の獏に目薬を
絵文字顔文字交わる意志
眠るが先か目覚めるが先か
少女スライス
ベークライトに固めた記憶
飛ばされていった紙片
空想上の生物の肉は美味いか?
缶詰缶切り見失い、
香辛料こそとっておきの毒薬
おかしな電波、圏外脱出
魑魅魍魎パラダイス
窓硝子を嘗めさせる罰
今時、カセットテープの呪縛
狐面で集って百物語を
死にたがりは愛し合う
緊急自身速報
バス停の悪魔
みづうみに立つ親子
地縛霊ルーチンワーク
玉虫色の七不思議
怪談誕生
血を啜り合う吸血鬼
妄想金魚すくい
空の金魚鉢に泳がせて
飴の代わりにビー玉をあげる
凍った泡はビー玉になった
路地裏勧誘
暑くても離れられない、バカみたい
ハイウェイヒュプノス、異界の扉
ラムネ瓶だけが見ていた
その眼に孕む毒蟲の罠
腐り落ちる速さに何を期待している?
巻き付くように締め付けて
少なくとも笑みは私に向けられている
怪異に冷や汗を嘗められ
望んだから彼は舞い降りた
七つ語り終えた時、彼女達は無言になり、
水のように求めた
包帯ぐるぐる巻きで眠る
だだ流れのネガティブ拾い上げ
器用貧乏ですらないね
コットンパールに擬態する
グレナデンシロップで乾杯
愛されてるから暴言を
怖がりドリーム目覚めの飴玉
街灯付近に巣を張る蜘蛛
携帯付喪神
なにもないという幸せ
嘘吐きから抜いた舌を調理する
遠い雷鳴を聞きながら
透明標本に変わったペット
滑走ルート、行く先黄色
ロッカーの怪談はいかが
怪異のエンカウント率は伊達じゃない
災害レベルの禁忌に触れる
噂話の花咲けば育てる奴が現れる
点と点繋ぐと同時に呼び寄せる縁
夢の中の病院に迷い込んだ
谺(こだま)が会話をはじめたなら、
差別用語化した単語を懐かしんだ
少なくとも、壊れている
新種のアヤカシを生んだ
空の水槽に飼う架空のおさかな
デジタルの絵画が瞬きした
残酷な弱者
アクリルの窓を拭く
グズベリー噛み千切る
忘却の彼方の傘の怪
子供のように泣き続けている
わたしが生んだ遊び相手
まるで終わらない怪談。
ヤサシイ文章ばかりが跋扈して
安定・分身・暗号・泡沫
あなたは詩だからです
シミデタシミデタシミデタシミデタ
シマシマの羽根生えた飛行機
季節外れの花火のように
微睡の淵で無は語らない。
何故ならそれは自分だから
現実狂わす電波塔はどこにある
まるでなにかの代弁者
獅子の如き憤怒
ああ ××だな
鏡に姿が映らなくてもいい
自らの言葉に身を滅ぼすなかれ
哀しい物語に期待している
大きく小さく姿形を変えて
思考の海は未知満ちて
置いてきた感情の縮図
楽しみで恐怖している
美しく発狂した黒髪の持ち主
死んだ筈の肉塊は天国恐怖症
肉を纏うあなたがとても綺麗で
瑪瑙の眼をした鳥を見送る
自然と滲む涙に余計辛くなる
それでいいよと誰か笑った
骨でもいいからさぁー
(ならばどうしてこの空は暗い)