先輩達を裏切るというのは
予想以上に辛かった。


いつかこのことがバレたら、
きっと友梨先輩は僕を恨むだろう。
最低!といって僕の事をぶっ飛ばすかもしれない。


そんな日が来ないことを願っているけど、やはり現実は甘くなかった。






「五島?ねぇ!五島!!な、にしてんの?!ねぇ!何か言ってよ!柚香さん死んじゃったんだよ!ねぇ!五島!」



ごめん、友梨先輩。
許してもらえるわけないけど、
先輩を守るためにはこうしなきゃいけなかったんだ。
でも、先輩のあんなに泣いた顔初めて見た。
これは、正しかった‥のかな‥‥。




数日後‥。



僕は今鳴海先生に首をしめられている。
初校長の代わりに。



苦しい‥。
僕はこのまま死んでしまうのだろうか。
先輩をちゃんと守れないまま‥。
先輩、ごめんなさい。
せんぱ、い‥‥‥。





「五島ー!五島ー!」


遠くで先輩の声がした、気がした。











僕は今夢を見ているんだろうか。
先輩が僕の目の前でにこにこ笑っている。
そうか、僕は死んでしまったのか。
先輩のこと、守れなかった。


先輩、ごめん。





「‥‥しま!五島!」


あぁ、先輩の声が聞こえる。
ここは天国かな?
うっすら目を開けると、眩しい光が目に入る。
そして、次の瞬間先輩の顔が見えた。


「友梨先輩、ここ天国?僕は死んでしまったの?」


「何言ってんのよばか!!五島ぁぁ!生ぎででよがっだぁぁぁ。うわぁぁん。」


といって先輩は抱きついてきた。


「先輩?僕生きてるの?」


「そうだよ?五島!本当に本当にごめんなさい!私、五島が私のためにあんなことしてたなんて知らなくて‥。」


「先輩‥‥。聞いたんだ。あ、初校長は?」


「ルナに魂を抜かれてもう生きてはいないわ。」


「そっか。終わったんだね。やっと、終わったんだね。」


「終わったんだよ、五島のおかげで。五島、本当にありがとう。私五島のこと見直したよ。」


先輩が素直だ。
どうしたことだろうか。
でも、よかった。


「ねぇ、友梨先輩。僕先輩のことちゃんと守れた?」


「当たり前でしょ。こんなことしてもらって、私どうやって恩返しすればいいのよ?」


「じゃあさ、僕の彼女になって?」


「‥‥。私でよければ、よろしくお願いします。」


「え、先輩?僕は友梨先輩がいいんだよ。ずっとずっと好きだったから。やっと手に入った。」


「え?ず、ずっと?知らなかった。」


「先輩顔赤いよ。ふふ。」


「う、うるさい!」


「先輩素直じゃないなぁー。こっち向いて?」


チュッ


「な、ななな//」


「先輩かーわいっ!」


「もう、五島。大好きだばか!いつの間にか好きになってたよばか!」


「先輩‥。僕はばかじゃないよ。」


「そこかよ?」


「ふふ。僕もう先輩のこと離せないよ?てか、離さない。それに、一生かけて君を守るからね。」


「頼もしいわ。ふふ。よろしくね。」







先輩。大好きだよ。
今までもこれからも。
だから、一生君の事守るからね。
覚悟してよね。

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