次の日。


ああ、あのまま寝ちゃった。
鏡で自分の顔を見ると…ひどい。


目が真っ赤になって腫れている。


ああ、これじゃ学校行けない。休むか。
合わせる顔もないしね。



今井side


「今日は、欠席は川崎だけだな。では、これでホームルームを終わります。」


休み?風邪か?


「あーあ。昴のせいだよ。今すぐ行ってきなよ。」


「そうよ。今朝友梨の部屋に行ったら、あの子目が腫れてたわ。きっと一晩中泣いたのよ。中途半端な気持ちじゃなく、本当に好きなら、行ってきなさい。」


そうか、俺の、せいか。


「櫻野、山之内。ありがとう。行ってくる。」






走って寮まで来た。
友梨の部屋は…ここか。


ガチャ


「え?」

友梨は制服をきて出てきた。
確かに目が腫れている。
そんなに俺のことを思って泣いてくれたのか。


「友梨。話がある。」


ガチャ


んな!閉められた?


「友梨。お願いだ。ここを開けてくれ。話がしたいんだ。」


今すぐに君に好きだと言って抱きしめたいんだ。


「私はもう話なんかしたくない!早く、学校行って!!」


「友梨が出てくるまで、どこにも行かない。」


「っ。勝手にすれば!?」







友梨side


氷で冷やして、目の腫れも少しおさまったし、
ずっと部屋で寝てるのも嫌だから、
学校行こうと思って部屋を出たら、昴がいた。
心臓止まるかとと思った。

だから、とっさにドアを閉めた。
しかも、話があるとか、絶対別れ話じゃん。
覚悟はしてたけど、いざとなったら聞きたくなかった。



昴が来て、3時間くらい経った。
すると、さっきから降ってた雨が土砂降りになった。
窓を開けると凄く冷たい風が入ってきた。


「寒っ。まさか、まだいるってことはないよね。」


部屋のドアを開けると、


「え、ちょ、昴?ま、まだいたの?ってまさか…」


昴ははーはーと苦しそうにしていた。
慌てておでこに手を当てると、かなり熱かった。


「昴何してんのよ。風邪引くじゃない。」


「友梨が、出て、く、るまで待ってた。」


「まさか本当にずっといたなんて。ほら、とりあえず私の部屋に入るよ。」


とりあえず、昴をベッドに寝かせ、熱さまシートをはった。
熱をはかると、38.9度。


なんでここまでするのよ。
期待しちゃうじゃない。
でも、あんな寒い中、ずっと待ってたなんて、信じられない。
どうしたのよ、急に。


「んー。友梨?」


「あ、昴起きたの?今からご飯つく「友梨。」



ぐいっと引っ張られて、目の前に昴の顔。


「んん?ちょ、すば、んん。どう、したの。」


「友梨すき。大好き。」


え、何が起きてるの?夢、かこれは?


「んすばる?んんく、苦しい。」


私の言葉は一切無視で、どんどん深くなるキス。
こんな情熱的なキスは初めてだった。
だんだん目がトロンとしてくると、昴は唇を離し、私は強く抱きしめられた。


「ごめん、友梨。不安にさせてごめん。でも、俺は友梨が好き。大好きだから、信じて欲しい。俺はその、愛情表現とやらが苦手でどうしていいか、分からなくて、だから、その…」


気づけば大粒の涙が頬を伝う。


「ふふ。もういいよ。私も昴のこと、大好きだから、たまには愛情表現してね?」


すると、昴の顔が真っ赤になった。


「分かった。友梨?」


「ん?」


「愛してる。」


ボンっと私の顔が真っ赤になった。
そして、今度は、ゆっくり顔を近づけて、重なる唇。


「私も昴のこと愛してる!!」


と言って昴の頬にキスを落とす。


ボボっと昴の顔が真っ赤になったから、
もう嬉しいのなんのって。


「友梨。今日からは、毎日キスするから。あと、秀一に触られてた分もね。」


「昴ってば、嫉妬してくれてたんだ。」


「当たり前だろう。と言っても秀一に言われなかったら気づかなかった、これが嫉妬だってこと。」


とにかく嫉妬してくれてよかった。

なんて思ってると、またグイッと引っ張られて、キスの時間。


深い深いキスの時間。



二人は時間も忘れて、夢中で愛し合っていた。



次の日友梨が熱を出したということは言うまでもないでしょう。









人には人それぞれに恋愛の仕方はあるけど、
君は不器用だったんだね。
そんな君の一面も知れたから、もう十分。

不器用な君と、恋愛するとは、こういうことなんだ。



Fin

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