友梨!友梨!!
夢かな?
誰かに呼ばれてる。
「友梨!!」
目を開けると秀一が心配そうな顔で私を見ていた。
「ん?秀一?あれ?」
「友梨やっと起きたか。ったく心配かけやがって。」
「何があったんだっけ?、、あ、棗は??あ、蜜柑もどうなった??」
「友梨が頑張ってくれたおかげで、棗を追いかけて外に飛び出した二人も早く見つかったよ。」
どうやら、私が犠牲になったおかげで棗もアリスをあまり使わないで、大爆発せずに済んだらしい。
「にしても、友梨、あれだけ病室には行くなっていったのに。」
「ごめんなさい、、。」
「でも、よく頑張ったな。」
「秀一、、」
「でもさ、何簡単にキスされてんだよ!!!バカかよ!!!」
うわ、最悪。思い出しちゃったよ。今思い出しても気持ち悪い。
「ファーストキスだったのに、、」
とつい思ってることが口に出てしまった。
「しょうがない、俺が消毒してやるよ。」
と突然あごをぐいっともちあげられた。
そして秀一の顔がドアップになったと思った時には唇に何かが触れた。
「ん??えしゅうい、ん。しゅういち!!んんん〜。はな、して!」
「いやだ。俺が納得いくまで離さない。」
キスされるのは嫌なはずなのに、レオの時とは違う。
強引だけどすごく優しいし、なんか、甘い。
それに、秀一とは、なんか嫌じゃない。
「ふ。お前顔エロいから。笑」
と言ってポンポンと頭をなでてくる。
だめだ、ドキドキがおさまらない。
どうしたのよ、私!!
「さ、消毒も終わったことだし、生徒会の仕事やってもらおうかな〜。」
「え!!わ、私病人だよ!」
さっきの優しさはいったいどこに行ったんだ?
黒いオーラしか見えないよ。
「もう治ってるから大丈夫大丈夫。友梨が寝てる間人足りなくて大変だったんだから。」
といって生徒会室に連れていかれ、仕事をさせられる友梨でした。
なんだかんだ秀一は優しいのか、病人は早く帰れと言われたので、いつもより早めに終わらせ、寮まで帰っていた。
すると、あの秀一ファンクラブ会長の真彩がセントラルタウンに向かって走っていく。
なにしてんだ、あの人?
どうでもいいけど、、ちょっと気になる、、
ということでついてきました。
ん?待ち合わせか?
建物の陰から覗いていると、30歳くらいの男の人が歩いてきた。
なになに、あいつ彼氏いんのか!秀一ファンとか言っておきながら自分は彼氏いるのかよ。ん、なんか話してる。
「ほら、これが50万だ。1回終わるごとに10万ずつだからな。」
「話が違うじゃない!!先に50万くれるって言ったじゃない!!」
「そしたらお前、逃げるだろ。これだから最近の若者は困るなあ。」
ちょっと持って、あれ援交じゃない?何やってんのよあいつ。
「ぎゃあ!!ちょっと離してよ!!」
これは一大事だ!!
「おらああああああお前その女の子離せーーーーー!!!」
バキイッッ
と顔に思いっきり跳び蹴りをくらわす。
「うわわわいってええええええ何すんだこのやろ!!」
「は?ちょっと川崎さん??何してるの??」
「ってどこいったこのクソガキいいい!!」
すいませんね、私透明になれるんですよ、ふふふ。
っとまた真彩のもとに行こうとする男の顔パンチ!!!!
何てことを続けると、
「ああああもうやってらんねえよ!!!!」
と言って逃げていった。
「大丈夫だった??」
まだ震えているファンクラブ会長。
「な、何してくれてんのよ!!余計な世話よ!!!」
「じゃあ、あのまんまほっとけばよかった??今頃あんた後悔してると思うけどね。」
「んな!私は50万今すぐ必要なのよ!!あれくらい覚悟のうちよ!!」
「そうは見えなかったけどね。ところで、なんで今すぐ50万必要なの??」
「お母さんが、、お母さんが病気なのよ。」
「えっ。」
ファンクラブ会長のことだから、高い化粧品とかパックとかがほしいのかと思ってた。
「お母さんは女手一つで私と妹を育ててくれて、なのに私が急にアリスが見つかってこの学園に来ることになって、それからずっと会ってなくて、、。そしたらこないだ急にお母さんが入院するっていう手紙が妹から来て。私、どうしてもお母さんのこと助けたくて!!」
「そっか。私誤解してた。秀一と仲良くしてる女子いじめてばっかでしょうもないやつって思ってたけど。あんた、家族思いのいいやつじゃん!!ったく泣くなって!目が真っ黒になるぞ〜。笑」
「ぐすん。うるさいわよ。私だって普通の人よ。」
「ま、でもやり方間違えたんじゃない??」
「そう、みたいね。覚悟してたはずなのにいざとなったら動かなくて、、。」
「ま、反省してるみたいだし、はい。これあげとくね。」
「これって、さっきの封筒、、。ってもしかして!!」
「そ。もらってきといた、50万。」
「嘘でしょ。笑 意外とあんたやるじゃない!!」
「失礼ね。しかも私あんたじゃなくて、友梨ですけど??」
「ふっ友梨、ありがと。」
「どういたしまして、真彩。」
なんだ、意外といい奴だったみたい。
その日は真彩と仲良くなり、遅くまで話していました。
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