act 4

一時に、二丁目の公園で待つ   神楽。


2/14 日のバレンタインデー。彼女は一体、何を思ってチョコレートを渡したのだろう。
3/14 日のホワイトデー。彼女は一体、何を待っていたのだろうか……。

頭の中で巡るのは、おそらく一年前のあの日の出来事。
この公園前で、神楽は一体何を思いながら、待っていたのだろうか?

お妙のヒントも、今思えば、彼女の思いこみに過ぎないかもしれなくて……。



神楽ちゃん、結婚するのよ。

今日、目覚めたばかりの自分に、突きつけられたミツバからの言葉は、沖田を、奈落の底へと突き落とした。

だって、どうして信じられる?
あの日、彼女は……。

「沖田君」

聞き覚えのある声が、背中にかかり、沖田は振り向いた。
その顔は、今、この現状が、全て分かっている、そんな顔をしていた。
沖田は、当然、この男を知っていた。今も、昔も。






未来……?


たった今、男の口から出てきた言葉に、沖田は、あまりに、突拍子もないと、信じられずにいる。
それも無理は、なかった。しかし、男の話を、聞けば聞くほど、話のつじづまがあってしまった。
今朝の沖田とミツバの会話も、新八の言葉も、ぜんぶ、全部。

でも、
「相手は……」

間違っても、自分じゃない事くらいは分かる。
ここが、あの時代の先にある未来ならば。
「まさか、アンタですかィ」
言っておきながら、愚問だと沖田は思った。
でもそんな思いを、ここにくるまで消せなかったのも、本当だった。
沖田の言葉に、その男、銀時は、何を思っているのか、分からない笑顔を見せた。
沖田の口元が、わずかにあがる。今の彼なりの精一杯。

「今更、オメーさんが後悔しても、おせぇってこった」
沖田にとって、この台詞は、皮肉意外の何ものにも聞こえない。
そしてそれを、いつものポーカーフェイスで隠す余裕はなかった。
どんなにもがいても、未来は変わらない。あの日、あの時代、かけあわなかった二人の針は、戻らないまま、時は流れている。

そう思えば、思うほど、沖田の中に、後悔の渦が注ぎこまれていく。
でも仕方なかった。あの時、あの瞬間、神楽の事を、なんとも思っていなかった、沖田総悟という人間も、確かに存在していたのだから。

じゃあ、一体、いつ?

どこで?

今は……?





「俺は、何をしてるんですかィ」

そうだ。ここが、この男の言うとおり、未来だとするならば、この世界にも、ちゃんと居るはず。
沖田総悟と言う、人間が。

「ちゃんと、いるよ。沖田君がね」

一体この男は、どこまで知っているんだろうか。大体にして、こんなふざけた様な話……。
でも、これは実際、今、ここで、起こっている、まぎれもないリアル。
ただ、自分が、何をするためにここに来たのかが、分からないでいた。

神楽は、今日、結婚する。
誰と? この目の前の男と……?
沖田の中に、言いあらわすことの出来ない嫉妬心が沸き起こる。



神楽の事を、なんとも思ってなかった自分?
それは本当に存在していたのだろうか?
もしかすれば、気づいてなかっただけかもしれない。

自身の気持ちに気づいていながら、それをはぐらかしていただけなのだろうか?

あの日、神楽の泣き顔を見た瞬間、あの時すでに、後悔していたのか?

この状況で、沖田が、その答えを出すのは、難しい話だった。

じゃあ、どうしたい?





どうしたい……?



……To Be Continued…

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