act 2

「オイ。その名前を出すんじゃねェ。やめろィ。」
沖田は視界の無い神楽を見下ろしながら言った。しかしコレを神楽は思い切り無視をした。
まるで其処には誰もいないかの様に、何も聞こえないかの様に。沖田が初めから此処に居なかった様に…。

「銀っ…ちゃ。ねェ、いつもみたいに…。」
沖田は顔を歪ませた。いつもみたいに?ありえない。
そして神楽は何故こんな台詞を吐くのか。これも分からない。
小さな唇。いつもなら自分の名前が出される唇が、別の名前を呼んでいる。一体何の為に…。
嫌がってるが、体はこれでもかと思う程反応する。ナンだ?そう言うプレイなのか?

ごちゃごちゃと考えてみるが、神楽の意図が分からない。
どんなプレイにしろ、神楽の口から、別の男の名前が出るのは気に食わない。
この女を、唯一好き勝手に出来るのは自分だけ。そうで居たかった。

俺の名前を嫌でも呼ばせてやらァ。
沖田は、神楽のチャイナ服に手をかけた。頭の上からそれを引っこ抜く。畳の上に神楽の肢体が流れた。
何度見ても、何度ヤっても、同じように喉がなる。
常に動いてるためか、無駄な肉がない。かと言って女特有の体の丸みは引き立っている。
ほどよく付いた筋肉が、引き締まった綺麗な体を作り上げる。年と共に成長した胸は、いまやチャイナ服がエロくみえてしまうほど揺れになっていた。神楽の白い肌に合う、淡いピンクのブラの上から手を這わす。

「ぃや、銀ちゃ…恥ずかしいィヨ…。」
無視だ、無視。沖田はそう自分の中で繰り返す。
ブラの下に手を滑り込ませた。直ぐに突起に指が当たる。それを跳ねる。神楽の体も跳ねる。早く浅い呼吸が神楽を支配する。後ろでにパチンとホックを外す。解放された胸が揺れ、零れた。
沖田は神楽の上に乗っかりながらそれを口に含んだ。

神楽は、絶えず名前を呼ぶ。自分じゃない名を。ねェ、いつもみたいにもっと優しくして…。
そう甘えた。考えるな。沖田はそう愛撫を再会させた。
噛み付く、舐める、吸い付く、揉む。俺だけのモンだと夢中に…。
神楽は首をいやいやとさせながらも、その愛撫に体を震わせる。そして違う男の名を呼んだ。
一旦沖田はその手を止めた。
「オメー、一体ェ何のつもりでィ。」
少々低い声が部屋に響いた。やはり無視など出来るモンではないものらしい。
そんな声など、初めから聞こえてなど居ない様に神楽は言葉をだした。
「銀ちゃぁ。早く、ぅ。ねェ…。」

「オメー、浮気してんのかよ?」
「銀ちゃぁ、触ってヨ、いつもみたいに…。」
「オイ神楽!」
「銀ちゃん、何処?ねェ銀ちゃん…。」
「いい加減にしろや!。」
「銀ちゃんっ、早くッっ、銀ちゃんが欲しいアルッ…。」

沖田は歯をぎりぎりとさせた。浅く呼吸を繰り返す神楽の細い手を掴んだ。
「その名を呼ぶのを止めろィ。俺は旦那じゃねェ。」
行為所ではなくなった。神楽の口から別の男の名前を呼ぶのが、どうしても耐えられない。
自分の事を裏切らないのは、分かっている。だが、こう名前を聞くと、どうしても思ってしまう。
いつもみたいに…。その台詞を神楽が口から吐くたびに顔が歪んだ。

想像したくなくても想像した。神楽のからだが自分じゃない男が割る事を。自分じゃない男が神楽の体に触れる。
舐める、そんな事考えたくもない。しかし出てくる名前のおかげでどうしても想像してしまう。
それでもまだ、神楽は沖田を無視し、その名を呼び続けた。
「銀ちゃんが欲しいヨ、いつもみたいに優しく射れ―――。」
沖田はカッとなる。
「やめねェか!。」
そう言いながら沖田は神楽の目元のスカーフと乱暴に取り上げた。やっと合った瞳を上から見下ろす。
その沖田の呼吸は既に上がっていた。
「オメー、旦那に抱かれてやがんのか?浮気してんのか!?」
神楽は何も口に出さず、ただじっと沖田を見上げた。沖田の視界の中には、残り下着一枚の神楽の全てが映っている。しかし今はそんなもんどうでもいいぐらいに、感情が沸き、沸騰していた。沖田は神楽の頭にダンと両手を付き、上から見下ろす。
「答えやがれ。一度でも旦那と関係を持った事があんのか?!」
神楽は沖田をじっと見つめた。まるで正気になったみたく。沖田は無意識に喉を鳴らした。
この間が恐かった。ゆっくりと神楽は口を開く。

「ある…本当は何度も抱かれたネ…って言ったらどうするアル。」
沖田は愕然とした。目は大きく開かれ、口は開けられたまま。喉仏を大きく鳴らした。あまりのショックで言葉が出ないらしい。そんな沖田の様子を神楽は下から見る。そして口を開いた。

「そんなにショックアルか?そんなにあたしが好きアルか?だったらどうしてもっと大事にしてくれないアル。こんな目隠しされて、どうせ見えないなら、暗い視界の中で、あたしが誰とHしても、お前にとやかく言われる筋合いはないアル。」

今、たった今、神楽の意図が沖田には分かった。
先ほどとは違う理由で沖田は表情を唖然とさせた…。


……To Be Continued…

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