act 35

「沖田さん、どうするんですか?」
その決断を、あなたに委ねます。お妙はそう真っ直ぐに沖田を見つめる。
今の沖田の直感を信じたい。そう思うからこそ、彼らの足は、そこで止まっていた。

このまま、まっすぐに、神楽の自宅へと足を突き進めるか、そちらへと足を向けるか。

「総梧」
重く、静かな声が、また彼の名を呼んだ。
時間はない、決断は二択。
己の感を信じるか、神楽の声を信じるか――――――。
沖田はゆっくりと瞳をとじた。




「俺がこいつと行く」


簡単に決められる決断じゃない。だからこそ沖田は返事が出来ずにいた。
そこに、高杉の一言が出た。

思ってもみなかった人物からの台詞に、視線はいっきにそちらへと注がれた。
高杉の瞳は、濁りなく、真剣そのものである。
簡単な選択じゃない。簡単に決めたわけでもない。
ただ、これが、一番だと真剣に思ったからこそ口にした。

「高杉さん」
信じていいんですか? お妙の瞳は、そう語りかける。
でも、本当は、名前を口にした時点で、肝は据わっていた。

大事な友達を、必ず助けたい。その思いがあるからこそ、この決断が一番だと。
「総悟」
皆の気持ちは、既に決まっている。後は、沖田だけ……。





神楽の声を、信じたい……。

確信がある訳じゃない。だからこそ、高杉の言葉を信じる事ができる。
大事な神楽の事だから、大事な仲間に託したい。必ず助けられると信じて。

「お願いしやす」

静かに瞳をとじて、大切な神楽の事だからこそ、頭を深くさげられた。







助けたい…… ―――――。




・・・・To Be Continued・・・・・

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