act 2

「アイツラムカつく〜〜」
休み時間、新八にいつもの様に、愚痴を言うのは神楽。対抗ライブのため、ボーカルを無理やり新八に決め他の教室に、バンド経験者を探しに行ったトコ、全部却下された。それでも懸命に神楽は粘り、何とか力を貸してほしいと頼んだところ、3人グループが丁度できると言う事で、事なき事を得たのだ。
と思ったのは最初だけで、実際は性格が酷く悪く、人を罵り、罵倒するような3人であり、いつも神楽はカッカと頭から蒸気を発生させて、怒り狂っていた。

「気にしないでいいよ。歌が下手なのは当たってるし」
「そんなの関係ないネ!楽しけりゃイイアル!それをあいつら、歌が下手だの何だの・・」
神楽は、新八が馬鹿にされるのが我慢できなかった。しかし、暴れれば、ライブは出られない。出られないどころか・・・。
「賭けなんて引き受けなければ良かったアル」
「気にしないで!頑張ろうよ」
賭け・・・実は、対抗ライブには、「賭け」があった。4つのクラスで負けたものが・・と言う賭け。それに乗ってしまったのだ。馬鹿だと後悔する。
3人の男の名は、ギターが二人で、荒木と元木と言う名。ドラムが新橋と言う名だった。そこそこの腕はあるが、とにかく口が悪い。性格が悪い。自分に自身があってと・・とにかくあげればキリがない。神楽の瓶底眼鏡をことごとくブスと連発し、新八の歌をとにかくけなした
その言葉に、神楽はいちいちカチンと来て、つっかかりそうになるのを、必死で堪えた。練習は、クラスごと、時間を決めて、体育館で練習する。練習が、毎回言い合いになる。楽しくやりたいのに出来ない。もういっそ、3Zは棄権すれば、こんなにイライラしなくていいのだが、それでもやっぱり出たかった。折角の文化祭だからだ。
楽しい文化祭の準備・・のはずが、何だか、愚痴の多い文化祭になりそうだと神楽は思う。

「オイ、何かココん所、忙しそうじゃねーかィ」 久し振りに隣の沖田の声を聞いた気がする。嬉しい反面、自分がこんなにも忙しいのに、何をこんなに暢気に話をかけてこれるのかと言う怒りが、自分の中でぐちゃぐちゃと入り交ざる。
「文化祭の準備が忙しいアル。お前には関係ない事ナンダロ・・」
皮肉たっぷりに、神楽は言う。沖田は、文化祭を面倒くさいと言っていたのだ。それを聞いた沖田も、少しは手伝ったほうが良いのか?と言う疑問と、なんでこんなに露骨に嫌味をいわれなきゃいけないんだと言う思いでぐちゃぐちゃだった。
「只でさえ、あいつらがムカつくのに・・お前の相手なんかしてられないネ・・・」 ぼそっと言う神楽の声は、沖田には届いてないようで、届いていた。
「何でィ。あいつらって」 沖田に、届いてないと思っていた自分の声が届いてるのが分かって、急にワタワタとする。
「な、聞こえてたアルか?」
「あぁ。んで、あいつ等って何?」 
何??腹の立つ奴がいる・・しかしそんな事沖田に言った所でどうも変わらない。多分、更に沖田の嫌味が増えるだけ。只でさえ、むかつくのに、これ以上は堪忍袋の緒が切れてしまう・・
「あ〜・・。何でもないアル。ちょっとむしゃくしゃしてただけネ」
適当に、会話をすませ、席を立つ。沖田は、まだ納得のいく様な表情ではなかったが、神楽がさっさと席をたったので、深くを追求する事も出来なくなった。休み時間、神楽は新八と文化祭の準備をする。それと同時進行で放課後などを使って、対抗ライブの練習を始める。練習をしなければいけない。必然的に、あの3人と顔を合わせないといけない事が、精神的にストレスになっている。益々、何のために練習してるのかが分からなくなってきた。一方新八もそれは一緒だった。歌が下手だといわれるのは、まだ我慢が出来る。だってヘタだから。しかし、毎回神楽と大喧嘩になるのが憂鬱だった。神楽の事を酷く言われ、友達の事をそこまで言われるので、新八だって、腹は立つ。もういっそ、こんな対抗ライブなんて、うちのクラスだけやらなければいいんじゃないかと思う。元もと、自由奔放、身勝手、自己中心的ばかりが集まったクラス。やらなかったとしても、何ら問題はない。しかし、神楽は、やりたいと思っている。理由はそれだけで十分ではないだろうかと思う。それでも、若干、何のためにやってるのかと言う疑問は残ったのだが・・。

……To Be Continued…

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