影月深夜の憂鬱5
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「う、ん…?」
目を開けると見慣れた天井が視界に入り、いつものように時計で時間を確認する。
現在の時刻は午後5時、なんでこんな時間まで寝ていたんだろう。晩御飯の買い出しにすら行けていない。
慌てて体を起こし部屋を出る、二階にある自室から階段を駆け降り真っ直ぐリビングへ。
まずは冷蔵庫の中身を調べて、作るものを決めて、それから…。移動しながら次やらなければならないことを考える。
リビングの扉を開けて入ったはいいものの、勢い余ってバランスが取れず転けそうになる。
すると前から腕が伸びてきて僕の腕を掴み引き寄せる、そのおかげで転けずにすんだ。
…あれ、そう言えば誰に支えられてるんだっけ?
「あ…」
「おはよう、もう大丈夫そうか?」
…そうだった、今日から同居人が出来たんだった。見た目はイケメン男子、その実態はバクフーンという二次元的存在だけど。
それになんで今まで寝ていたかも思い出してしまい、慌てて彼から離れる。
我ながら恥ずかしさで倒れるとか申し訳ないし、そう何度も体験したくないものだ。
「だ、大丈夫…」
「そうか、よかった。ところでそんなに急いでどうしたんだ?」
「もう5時なのに晩ごはんの準備してなかったから…」
「それなら俺がしておいた」
予想外の言葉にポカンとてしまう、それがおかしかったのか彼は笑いながら間抜けな顔になってると言った。
「バクフーンでも料理できるんだ…」


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