まだ、たびのとちゅう
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プラズマ団が二つのグループに分かれている。それを知ったのはホドモエシティについたばかりの時だった。
プラズマ団が元プラズマ団に言っていた、プラズマ団を止めても周りからの眼は冷たいらしい。
それならいっそポケモンを奪いまくって、世界制服をしようとプラズマ団が言っていた。
確かに過去はその人自身についてまわるから、それは自分自身の行いの代償。
何が理由であれ、ポケモン泥棒でしかないのだから。だけど、本当に救いたかった人もいたのだろう。
そう、ジアがかつて対峙した白き英雄…Nのように。けれど、彼は揺らいでいたらしい。
ジアやジアと共にいるポケモン。旅をしてみてきた人間とポケモンの信頼関係、自分の知っていた世界とはまるで違う”世界”。
私も自分の世界と外の世界が違うことを知らなかった、逃げ出したときはじめて気づいた。
ジアは人を変える能力が…その影響力は計り知れない。

元プラズマ団は償いとして人から離れてしまったポケモンの面倒を見ているみたいだ。
それを聞いた…ヒュウは、怒鳴り散らして行ってしまったけど。ホント、カルシウム足りてないよね。
私はそれでいいと思ったんだ、いくらヒュウのプラズマ団に対しての怒りをを聞いても、ヒュウが正しいとは思えない私はおかしいのだろうか。
まあ、価値観世界観考え方全て個々により違うから…人間って難しいよ。
復讐は駄目だと言ったところで届かないだろう、怒りが大きすぎるから。なら好きにさせておくに限る。
私は人を変える能力はない、トラブルを呼ぶ込むばかりでそんな素敵な能力はない。
ジアは英雄になれたけれど、私は英雄になどなれない。でもね、私にできることがあるなら。
彼のために何かできるのなら、やりたい。彼ならどうするかを考えて、それに似た行動をしてみたくなる。
ロットに言われた、ゾロア面倒を見てくれないかと。私はそれを引き受けた。
もうすでにゾロアはブラッドがいるけれど…それでも、私はこうしたいと思った。
それに、そのゾロアはNの友達なんだって。他にもNの友達がいるんだって。なら、探さなくちゃ。
それで、私もNを探す。ジアが2年も探し続けているのに見つからない人を。
ジア、ジアは今もまだNを探してるんでしょう?探してること、チェレンとベルから聞いたんだよ。
ジアのことを何故知ってるか聞かれたけど孤児院が一緒だった、って言ったら納得してくれた。
ジアはその事を話せるくらい二人を信頼していたんだね。なんだか羨ましいな。なんてね。
思ったって仕方ないんだ、私じゃきっと……貴方の一番にはなれないから…。

ああ、そうだ。こんなこと考えてる場合じゃない!早く行かなければ、もたもたしてたらアイツが来てしまう。
見つかる前に離れなきゃいけないんだ、連れ戻されるのは…ごめんだから。
さあ、走れ。追いつかれて、見つけられて、たまるか。


まだ、たびのとちゅう
(好きなんだって、言いたいんだって)
(届かないんだって、知ってても)


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