某時刻、情報通が嫌いな奴
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クラはシナと言う人物が嫌いだった、言動が気に食わないと言うのが大きい。
それにクラは、シナを人間じゃないと否定していた。それに何処か確信を持っていたのだ。
やたら人間と主張するところ、逆に人間じゃないと疑う要素となるし人間ならそこまで必死にはならない。
望んでいないことをし善意を押し付ける、それを分かっていながらやっている節あり。完全に善意の押し売りである。
それに、シナと言う人物は闇を理解していながらそれを気付かぬフリして生きている。
むしろ、気に食わないと思ってる人に対しても変わらない態度をとりただ笑っている。
馬鹿らしい、救うわけでもなく落とすわけでもなく手伝うわけでもない。
話を聞くこともないし話すこともない、つまり重要な点に関しては知っていながらも放置と言うことだ。
ああ、それにシナと言う人物は十数年生きた奴とは思えない。おそらく…否、絶対に。
アイツは数十年以上の時を生きている。僕には分かる、何度も繰り返してきたからこそ分かるであろう違和感がアイツにはあった。
明るくちょっと空気の読めない人間の女の子になっているつもりだろうが僕にはそうは思えない。
だからと言ってアイツの正体が分かっているわけでもない、どうすれば暴けるか…。
ジアに手を出せば暴ける気もするが…アイツのせいで彼に対しては情が移ったらしい。
僕はあの人がいれば良かったはずなのに、アイツのせいで大切を増やすことになるなんて気に食わない。
あの人も結局は見つからず今も転生し生を受けているのかも定かではないから、無理に等しいのだろう。
いつか諦めなければならないのは分かっている、僕がただすがっているだけなのも。
ならせめて、最後に一言で良いから話したいと思う。名前も姿も性別も違うかもしれないがそんなのはどうでもいい。
ただもう一度、もう一度だけあの人に会いたいと話したいと思っているだけなんだ。
アイツはきっとそれを知っていた、僕の闇に気づいていた。だから新しい大切が出来るよう僕を彼に預けたのだろう。
アイツは狡い、嫌いだ。いくら聞いてもはぐらかすのだろう、そして掴ませないのだろう。
理解したくもないがシナと言う人物には何か特殊なものを感じる、僕とはまた違う何かを。
…アイツは人間じゃない、僕はそれ以外分かる気がしなかった。それすらもただの勘なのだけれど不思議と合っている気がした。


某時刻、情報通が嫌いな奴
(なんでアイツは)
(あんなにも馬鹿なのか)


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