某時刻、路地裏周辺にて
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はあ…と僕はため息をついた、情報屋は損な仕事だと思う。
僕は誰の味方でもないと言うのに情報をもたらしただけで相手は僕が味方と自惚れる。
だから相手の情報を別の誰かにもたらせば裏切りとされる、誰がいつお前らの味方になったんだ。
なんなの馬鹿なの死ぬの?てか死ねよ、誰に喧嘩売ってるんだ餓鬼共。
銃を両手に持ち辺りを見渡す、ざっと20人前後だろう。実力も対したことはないね。

そう分析していると急に周りの敵がざわついた、その後に誰だ!?と後ろから叫ぶ声がした。
どうせ、誰かがここに乱入してきたんだろう。全くめんどくさいことをしてくれる。
興味無さ気に振り向いた僕の視界には、意外な人物が敵を踏み潰してその場に華麗に着地していた。
その着地まさに10点満点、ただ表情は敵からしたら怒りのボルテージをMAXにさせる要因だ。
まあまあ良い顔するようになったじゃん、やっぱり君も裏の一員なんだよ。
ねえ…ラビ?

「ふふっ、何しに来たわけ?」
「四面楚歌な状態の誰かさんが死人出しそうだから防ぎにきたんさ」
「そんな余計なことしないでほしいな」

そう言ってケラケラと僕は笑う、しかしラビの顔は真剣だった。
これまた意外、僕の態度に対して呆れるなり怒るなりすると予想していたんだけど。
ラビだって普通でいられないと思うのだけど、周りが狂ってるとそれに感化されるもの。
僕はそう思う、例外もあるだろうけどそれはそれで面白い。
するとラビがひらりと僕の目の前まで敵を踏みつけて跳んできた。
踏みつける辺りは容赦ないなと内心笑いながら、ラビを横目で見やる。

「クラは十中八九おかしいさ、だって――」

ラビが続きを言うと同時に敵が飛びかかってきてそれどころではなくなった。
まあ、聞こえてたけど聞かなかったことにしよう。君の声は結局僕には届きはしない。


某時刻、路地裏周辺にて
(ふざけた情報屋と闇になりきれない闇医者)


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