某時刻、回想にて
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「クラさんの言うことは当てになりませんね…」

はぁ…と溜め息をつく、また嘘の情報に踊らされてしまいました。
これで何度目なんでしょう、クラさんに邪魔をされるのは。彼は私が邪魔なのでしょうか。
何故、あの時本当の情報を渡しておきながら邪魔をしてきたのか。
クラさんの考えは全く分かりません。
クラさん、彼は年の割には沢山抱え込んでいた。
なのに彼は生きたいのだと貴方は言った。…そうなのですかね。
彼が耐えきれるとは私には到底思えない、現実を突き付けた時。
彼の中で何かが変わった、そんな気がしたから。

――――――――
――――――
「貴方は普通ではありません、ポケモンでも人間でもありません。人によって言わば改造をされたわけですから。貴方は自然なポケモンではないのです」
「…知ってるよ、そんなこと」

そう言った彼の目は最初に比べ冷めきっていた。
この時に彼の中で何かが変わった気がした。

「知ってるのでしたら、大人しくして私に殺られてくださいませ」
「それとこれとは話が別だよ」
「…そうですか、なら自分から傷つくように仕向けましょう」

そう言って、私は刃物を彼の連れのサザンドラの彼女に投げた。
彼女は反応が遅れたのか避けなかった。
それを見た彼は自分の身を犠牲にして彼女を庇った。
恐らく、自分のことに彼女を巻き込みたくはなかったのでしょう。
彼は私を睨み付け、剣を片手に切りかかってきました。
油断したつもりはありませんでしたが、片手片足に傷を負いましたね。
その後結局逃げられてしまったのですが…。
彼はやはり、生きたいと望み続けられる程強くはない気がします。
…まだ、13前後の彼がこれに耐えても。それはそれで彼は狂ってしまっているのでしょう。
普通、耐えれるわけがないのですから。自殺しなければいいんですけどね。
…自殺なんかしても、救われるわけがないのですよ。


某時刻、回想にて
(取り敢えず、クラさんに会ったら一発殴りましょう)
(…逃げ足早いですから、殴れるかも怪しいですけどね)



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