某時刻、人気のない場所にて2人気の無い場所にナイフを持ったポケモンが立っていた。
そのポケモンは空を見つめ…いや、空へ逃げた何かを睨み付けていた。
すると、どこからともなくその場には不釣り合いの軽い声が聞こえた。
「カルテットは相変わらずだね、今日は失敗したんだ?」
少し子馬鹿にするような言い方に苛立ちを覚えたのか。
チッと舌打ちをし声の主へポケモン…否カルテットはこう返した。
「失敗するときだってあります、クラさんは何用ですか」
クラと呼ばれた、そのポケモンはクスクスと笑った。
それが気に食わないのかカルテットは眉に皺を寄せた。
「右腕と左足怪我してるね、油断してたんじゃない?」
「うるさいですよ、御託はいいので早く要件を」
クラは「相変わらず愛想ないね」と言い、こう続けた。
「彼は生き続けようとしてるのに君は彼を殺すのかい?」
彼、とはさっきまでカルテット戦っていた相手のことである。
逃げられたため結局は倒しきれていないのだが…。
彼は生きたいのに、カルテットはある理由から彼を殺したいらしい。
「彼は人に手を加えられています、それを"処分"するのが仕事ですから」
カルテットはそれが仕事だと、当然だと言わんばかりに堂々と処分すると言った。
クラはそれを否定するわけも、止めるわけでもなく。
「カルテットは仕事熱心だね」とただただ笑っていた。
「クラさん、私は貴方には借りがあるのをお忘れでは?」
そう言ってカルテットはクラに向かいナイフを数本高速で投げた。
しかし、クラはそれを軽々と避け、笑った。
「カルテットが僕に勝てる日なんて来ないよ?だって…」
クラが何かを言いかけた瞬間カルテットは大手裏剣を投げた。
それもクラは軽々と避け、続いて飛んで来たナイフも。
小刀で近接戦に持ち込んで来たカルテットの攻撃を細剣で受け止め、こう言った。
「君は僕より弱いんだから、勝てるはず無いだろう?」
そう言ってクラは銃を取り出して引き金を引き、カルテットは崩れ落ちた。
「おやすみなさい、いい夢を」
そう告げ、一礼をしてからクラは何処かへ去って行った。
残ったのは気持ち良さそうに寝息を立てている、カルテットと。
誰かの血痕とカルテットが投げ、散乱した武器だけだった。
某時刻、人気のない場所にて2
(あの催眠弾、一体何時まで利くだろうね?)
(そうだ、僕はそろそろ帰らないとね)
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