某時刻、人気のない場所にて
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「ごめんね、ごめんねごめんねごめんね…!!」

守るって言ったのに、大怪我させてごめんね。
守れなくってごめんね。
むしろボクがキミに守られちゃったね、ごめんね。
キミが相手を傷つけてくれたおかげで、ボクは今キミを抱えて逃げれるんだよ。
ごめんね、ありがとう。

怪我を治したいけれど、ボクらは誰かのポケモンって訳じゃない。
だから、ポケモンセンターに行っても安全とは言えない。
…ボクは色違いだから、珍しがって近付いて来る奴がきっといる。
傷つけて来るかもしれない、別にボクだけならいいのだけど。
ブラッドが傷つけられるのは流石にまずい。
大怪我して出血が酷いのに、これ以上怪我したら命が危ないかもしれない。
それにブラッドが人を見たらきっと暴れてしまうから、迂闊に街には行けない。
どうしよう、ボクも長時間動き続けるのはきっと無理だろうから。
意識がなくなる前にブラッドをどうにかしないと…。

嫌な考えばかり浮かんで頭の中がぐるぐるする、気持ち悪くて吐きそうだ。
どうしよう、どうすればブラッドを治療できる?
考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ!!
ポケモンは人よりは丈夫でも大怪我したら同じ様なもの。
すぐに傷が治る訳なんてない、どうすればいい?

ぐるぐるぐるぐる
ぐるぐるぐるぐる
頭の中がごちゃごちゃになる、考えようとしても何も思い付かなくて。
さらに焦って頭の中がぐるぐるして、ああ、悪循環。
そう気付いた時にはもう遅くて、ボクの意識はフェードアウトした。


某時刻、人気のない場所にて
(ぐるぐるぐるぐると頭が働かない時点で)
(ボクは相当パニックになっていたのだろう)


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