「よしよくやった。」
「はい!」
8人の音の忍は二人により掴まり、木の葉へ頼んだ増援がもうじき着くだろう。
カカシは懐からいつもの本を取り出し、ロメリアは忍具の確認をしていた。
そして口を先に開いたのは俺の方で。
「ロメリアの風遁。随分と威力高いけども師匠とかいたの?」
「…母さんが風遁を使う忍でした。」
カカシは聞き逃さなかった。
少女は【でした】という過去形。
つまり、その母親は亡くなっている、或いは行方不明という事だろう。
「じゃ、雷遁はお父さんの方かい?」
「…私、父を知らないんです。」
ロメリアの言葉に少しだけ目を丸くする。
「詳しい事はわからないんですけど、私には父親はいないと、母が生きてるときに言われました。」
やはり。
母親を亡くしていた。
そして父親はいない、両親が居なくなってしまったという事。
ますます自分の境遇とどこか重ね合わせるカカシは、黙ってロメリアの話を聞いた。
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