チャオ!
俺はディーノ。キャバッローネってマフィアのファミリーのボスをしてるんだ。

突然だけど、俺の彼女を紹介したい。





俺の彼女、みょうじなまえは画家だ。






「はっ、はぁっ、はぁ…っ……ごめんなさい!!」

「そんな急がなくても良かったんだぜ?大丈夫だよ、なまえ」

「でっ、でも、寒い中3時間も待たせちゃって、」

「平気だから。ほら、落ち着いて」



ゼーハーと息を吐くなまえの背中をゆっくりさすりながら深呼吸を促せば、徐々に呼吸が落ち着いてくる。

確かに冬空の下 待つのは少しだけ寒かったけど、走って来てくれたなまえと会えた喜びの方が大きい。



「何か良いのは描けたか?」

「まだ構想の途中なんだけどね、色々浮かんで来ちゃって…」



夢中になってたら時間を忘れちゃったの。ディーノとの約束を忘れてた訳じゃないんだよ本当だよごめんね。と必死に謝るなまえのぼさぼさの髪の毛には絵の具がこびり付いていて、本当についさっきまで絵を描いていたのが分かる。
普段は一度絵を描き出すと食事や睡眠さえ忘れて描き続けるなまえがそれでも俺との約束を思い出してくれた事が嬉しい。

待ちぼうけをくらいまくっても一向に怒らずに笑う俺を見て、一度ローマリオに「恋は盲目だなぁ」なんてぼやかれたけど俺は絵を描くなまえを愛しているから全く気にならないんだ。


本当は今日のディナーは予約してある店に行こうと思ってたけど、髪の毛に絵の具が付いてるなまえはドレスコードに引っかかるし予約の時間も大幅に過ぎてるから、今日は俺のところでゆっくり食べる事にしよう。

よっぽど慌てて来たのか、薄着のままのなまえが寒くないように俺のジャケットをかけてやって、これまた絵の具のついた小さな手を包み込むように握ればはにかんで握り返して来た。
そんな些細な事が堪らなく嬉しくて愛おしくて、あぁ、今日も俺は幸せだ。







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