「ただいま」
「お邪魔しまーす」
「おかえりなさ……………きゃ?!潤が彼女つれてきた?!!!」



綺麗なお姉さんが出迎えに来てくれたと思ったら叫んでまたぱたぱたと家の中に戻ってしまう。
…………………………えーっと。なんか言ってたけど…。そういえば潤さんのご実家に行くのは始めてだ。潤さんの部屋から近いけど、用も無かったし来たことなかったな。



「あれ、姉貴」
「あ、そうなんですか」



少し疲れた顔をしながら潤さんが家に入るからそれに続くとすごく食欲をそそるいい匂いがしている。



「あらいらっしゃい。潤の母です」
「はじめまして、みょうじなまえです」
「彼女?!彼女なんでしょ??」
「違ェよ。大学の後輩。ちなみに最近バイトも一緒」
「はい。潤さんにはいつもお世話になってます」



潤さんのお母さんが挨拶してくれて、またお姉さんが興奮気味に聞いてくるから潤さんが適確に私達の関係を説明するとお姉さんはなんだかとても残念そうだ。



「なんだ…かわいい妹が出来ると思ったのに…」
「大丈夫ですよ。心配しなくてもそのうち可愛らしい彼女を連れて来てくれますよ(帯刀してるかもしれないけど)」
「そうなの??でもお友達でもいいわ!なまえちゃん自分の家だと思ってゆっくりしてってね」
「ありがとうございます」



潤さんのお父さんにも挨拶してテーブルにつくと見事に蟹だらけなメニューでびっくりする。
蟹鍋にはじまって蟹ごはん、サラダに入ってたり餡とあえてあったりバリエーションが豊富だ。
お母さんに飲み物を聞かれてお茶を頼むと潤さんがおまえ呑まないのか、っていう視線を送って来たけど無言で制す。流石に人の御宅にお邪魔してまで飲まないよ。



「たくさんもらっちゃって困ってるくらいだからいっぱい食べてね」
「はい。いただきます」
「あ、帰る時に少し持って行ってよ。ご家族と食べて」
「こいつ、一人暮らし」
「あらそうなの?」
「こっちの大学に来たくて、親に無理言っちゃいました」
「女の子1人で心配ね…困ったことがあったらすぐ言ってね」
「そうよ、うち、潤の部屋余ってるからいつでも来て!」
「ありがとうございます」



それは昔潤さんに聞いた「でかくて邪魔だから出てけ」って言われるまで使ってた部屋なのかな。なんか苦笑しちゃうけど明るくて楽しい家族だ。潤さんがこうやって家族の人達と一緒にいるのを見るのは変な感じだけど、やっぱりそこにぴったり収まる。
お料理はどれもすごく美味しくて、潤さんが料理上手なのは遺伝もあるのかな、なんて少し思う。
私もそのうち潤さんに料理でも教えてもらおうかな。

潤さんのお家はあったかくて、ごはんは美味しくて、私はすごく幸せだ。



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