講堂を出たところで気だるげな後ろ姿を見つけて駆け寄る。


「潤さーん」


私の呼びかけにゆっくり振り返る潤さんは長い授業でヤニ切れなのか少し目付きがいつも以上に悪い。


「おー、なまえか」
「潤さん、煙草は喫煙所まで我慢しなね」
「………………」


右手に煙草ケースを握ってる潤さんに言うと諦めたように息をつく。



「わかってるって。…そういえばなまえおまえ今日なにしてんの。俺バイトの時間まで暇だから明日提出のレポートやんねェか?」
「あー、今日バイトの面接だから帰って履歴書 書かなきゃいけないんですよ」
「なにおまえバイトすんの?」
「まぁ遊ぶお金くらいは自分で出したいなと思って」
「へぇ。まぁ頑張れよ」



じゃあ、と挨拶して別れてマンションに帰る。親はちゃんと銀行にお金を入れておいてくれてるけどやっぱり心苦しいし、うん若者が働くはいい事だよね。


時間をかけて丁寧に書いた履歴書は私のいびつな字でもなんとか読めるものになったからよしとしよう。

時計を確認するともうすぐ出ないと約束の時間に遅れる時間だ。おお、急がないと。面接に遅刻とかダメすぎだ。


ここ一週間いろいろバイトの情報を見てきたけど、今日受けいくところはシフトにかなり自由がきくしまかないも出るし、バイト代もそこそこ良くて車通勤OKの上、未経験・学生歓迎とくれば応募しない手はない。
マンションからも学校からもそこそこ近くて立地条件もばっちりだ。


バイトの面接なんてはじめてだけどどんなこと聞かれるのかな。大丈夫かな。受かるといいな。




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