「………お、」
「、あ」
図書特殊部隊の全体会議で光に会った。
真正面から会うのは告白されたあの日以来だったけど、不思議と居心地の悪い雰囲気はなかった。
それは相手が光だからか、それとも別のなにかが理由なのかは分からなかったけど、まぁこれでいいのかな、とも思った。
これから光とは同期として、仲良くしていきたいと思ってる。
「ここ、空いてるよ」
「…さんきゅ」
後ろから微妙に堂上教官と小牧教官の視線を感じるけど、まぁ、気にしない。
少しざわついていた会議室も、玄田隊長が口を開けると同時に静かになる。
「情報歴史資料館の資料を、関東図書隊が引き取ることになった。当日はメディア良化隊による妨害が予想される。それに対抗し、無事資料を守るため、ライブラリータスクフォースの全投入を予定している」
玄田隊長の声に、身体の体温が少し上がったのが分かる。
良化隊と、やれる。
その事実が私の身体を沸騰させる。
もともとあの事を抜きにしても私は好戦的だから、こういうときは不謹慎だけどお祭り前みたいな高揚感がある。
だけどそんな私の温度が、次の玄田隊長のひと言で急激に冷え切るのがわかった。
「…当日Victoriaは稲嶺司令の警護に当たるように」
「ちょっと待った!異議あり!」
思わず立ち上がって声を張り上げる私にみんなの視線が集まるのがわかるけど、そんなことはこの際どうだっていい。
空気を読む?そんなの気にしてられるか。
「なんで私は戦闘から外されるんですか!全投入じゃないじゃないですか!」
「これは決定事項だ。以上、解散」
「what the fu…!」
つい勢いで暴言を吐きかけたけど、寸前のところでどうにか止める。
あぶないあぶない。
いきなりなに口走ってるんだこいつ、とさらに好奇の目が強まったけど、もう玄田隊長は会議室からさっさと出て行ってしまった。
逃げられた…!
はっ、と気づいて後ろを振り向くけど、そこには堂上教官の姿も小牧教官の姿もなかった。
しまった、こっちにも逃げられた!
そう思った瞬間、足はもう床を蹴っていた。
唖然としている光がちょっと心配そうに私を見ていたけど、そんなことにかまっている余裕は、今の私には、無い。