毬江ちゃんの家の住所を知っていた麻子になんで私の出身大学がばれていないのか疑問だけど、ともかく毬江ちゃんに事情を伝えて、そして彼女が小牧教官のためになにかできる事があるならなんでもしたい、と言ってくれたから嬉しかった。


毬江ちゃんを連れて、麻子と一緒に図書館に戻る。

執務室に入ると、いきなり堂上教官がいて、少し驚いていると予想通り怒った顔になって、少し身構える。


「おまえは、また勝手なことを…!」

「…お叱りは、甘んじて受けます」


私のツンとした反応に少したじろきながらも、堂上教官は言葉を重ねる。



「俺は、小牧から身内には知らせるな、と言われているんだぞ!」

「お言葉ですが、それは男側の勝手なプライドでしょう?女の私には関係ありません」



私のむちゃくちゃな言い分にどういい返すべきか考えている教官に、さらに言葉をぶつける。



「小牧教官は、私の守る対象です。それを妨害するなら、いくら堂上教官でも許しません」



これが最善で、最速に事を終わらせられる策なはずだ。
誰にも邪魔させない。



強く言い切った私を麻子は興味深い物を見るように、光は恐ろしい物を見るように、玄田隊長は面白い物を見るように見ている。


生意気な、失礼なことを言ったのは分かってる。
だけど、小牧教官を助けるためなんだ。



「あとは、査問会の場所、だけど…」

「…それなら、実はもう分かってるんだ」



私の呟きに答えたのは光。
その返答に麻子と私は驚喜した。



「まじで!?光!えらい!」



場所が分かっているっていうのに複雑そうな顔をしている光の頭を精一杯手を伸ばして撫でる。


一分一秒でも早く小牧教官の無事を確かめたい。善は急げ、だ。



「、行きましょう!」


お腹から声を出してみんなを振り返ると、玄田隊長が楽しそうに笑った。



「よし、出動だ!!」

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