お店に着いたとたん、大栄のみんなはそれぞれカゴを手に取って黙々と目当ての品をカゴに入れて行く。


さすが、みんな馴れてる…!


「あ、あの、私が持ちます!」

「あ?いいって。」

「でも、」

「そんなことしなくてもいいから」


先輩のカゴを持とうと八熊先輩に声をかけても、あっさり却下される。


なにもすることのない私。
なんのために来たんだ…!
せめて帰り、荷物だけでも持たせてもらおう…。




「月はなにも買わないの?」


常盤さんはもう必要なものは見つけたのか、中身がいっぱいなカゴを片手に近づいてきた。


「えっと、…バッシュを買わなきゃいけないんです」

「月もバスケするの?」

「いえ、少し遊びでやるくらいなんですけど、おじさ、…監督が買ってこい、って」

「ふーん?……じゃあさ、俺が選んであげるよ」



にっこり
女の子のハートを簡単にさらっていっちゃうような笑顔で言われて、もちろん断れるわけがない。




「ありがとうござい、」

「ちょっと待て、こいつには俺が選ぶから、いい」

「え、?」



お礼を言おうとしたら、八熊先輩に腕を引かれて、最後まで言えなかった。



「それなら、俺たち全員で一つずつ選んで、月に選んでもらおうよ」



ぜんいん、?

いつのまにか集合していたみんなに向かって、常盤さんがいっきに話を大きくした。

選んでもらえるのは嬉しいけど、なんだか申し訳ない



「…わかった」



一番最初に返事をしたのは白石先輩。
あれ、こういうの乗らなそうなのに、意外。



「よし。俺が月に一番いいの選んでやるよ」

「月、サイズいくつ?」



千葉さんの言葉に感動していると、鷹山くんが訪ねてきた。

ここで鷹山くんと変わらないと思うよ、とか言ったら怒られるんだろうなぁ


「23.5…だと思う」

「ちっせ。そのサイズだとあんまねぇかもな」

「す、すみません…」


八熊先輩に謝る。
探すの大変だよね、足、もっと大きくなれ…!



「月が選びやすように、誰がどれを選んだかはわからないようにするから、ちょっとあっちで待ってて」



常盤さんに言われて、椅子があるところに向かう。
みんなはシューズが並んでるところであれこれ見ている。

なんか、嬉しいな。
呼人おじさんに感謝かも。




11, Apr 2010
23, Sep 2020
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