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デイダラの顔が膨れ上がるまでサソリは傀儡に殴らせた。
勿論、自分という傀儡を含めて。

youが熱い新茶を持ってくると傀儡を巻物に仕舞い、
熱湯に近いそれをサソリは嚥下した。
デイダラは膨れ上がった顔で冷めるまで待っていた。

新茶が冷めるまで待つつもりだったデイダラにサソリは殴り足りなかった分、
質問で殴った。

「俺が傀儡から出たら何だって、デイダラ。
『しかも』の続きを聞いてやる。さっさと話せ」

デイダラは膨れた顔でのらりくらりと答えを濁しつつ、
本心を語らなかった。

腹を立てたサソリは未だにデイダラに付けたままのチャクラ糸を操りつつ答えを聞き出そうとしたが、
youがアイスを提示したので仕方なく水に流す事にした。

自分からチャクラ糸が外れたことに安堵したデイダラはアイスの偉大さに感謝した。
いつかこの傀儡老人を爆破してやろうと思ったが、
自らの芸術に心身共に浸っているという点では尊敬している心が邪魔した。
それでも機会があれば芸術的爆発を体現してもらおうとも思っている。

冷たく甘いアイスにサソリとデイダラが舌鼓を打っていると扉が叩かれた。
最近増えたyouの事務仕事の一つ、
初めての客の相手を任せて立ち上がった。

明らかに内容の無い仕事を依頼に来る女が増えたのが原因だ。
しかも殆どが金にならないときている。
気に入らない仕事は受けない主義の芸術家は可能な限り客の相手をしたくなくなった。
仕事の内容など素人のyouに聞かせたくないのだが、
仕方なく初見の客の相手をyouに任せる事にした。
その方が円滑に進んだ。

サソリとデイダラが奥に引っ込むと同時に扉が開かれる音がした。

「あんた、ジャシン様を信仰しないか」

聞いた事のある、
頭痛の促進される声がした。

飛弾が来たということは角都も来ている。
ついに来たか、
二人は同時にアイスにスプーンを突き立て、掻き込んだ。
一応は暁の仲間だ、アイスを食べながらいつまでも相手にしているのはアイスに悪い。

youと押し問答を繰り返している間に大半食べ終える事が出来たが、
最後の一口と言う所で、

「額の広い宗教勧誘と大柄の男性が来られています」

嫌そうな顔をしたyouが呼びに来た。

いつまでも相手をさせておける連中ではない、
最後の一口を押しこみ、スプーンを咥えたまま応接間へと戻った。

「飛弾、事務所のアルバイトまで勧誘するのは止めろ。
ガキの面倒はちゃんとしやがれ」

それはお前も同じだろう、
角都の目はサソリに冷ややかな視線を送っていた。


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