ほしおどり


高く…高く…

巡る…巡る…



遥か彼方

辿り着くこと叶わぬ

手が届くこと叶わぬ

遥か彼方



見上げた宝石箱

爆ぜるように輝け

砕けるように煌めけ

崩れるように光れ

燃えるように散れ



踊れ…踊れ…

目も眩むほどに

美しく



躍れ…躍れ…

惑わせるほどに

狂おしく



何度も…何度も…

同じ足運びで



永遠という夢想

終焉への彷徨



そうして

彼らはおどる



光を放ち

熱に浮かされ

冷たくなる

その時まで



高く…高く…

巡る…巡る…

僕がいなくなっても

君が息を止めても



もの言わぬ彼らは

瞬くことで

僕に

君に

瞳に

口付ける



口付けを受けた君の瞳に

僕は彼らを見る

爆ぜるように輝く

砕けるように煌く

崩れるように光る

燃えるように散る



踊る…踊る…

目も眩むほどに

美しく



躍る…躍る…

惑わせるほどに

狂おしく



君の絹のような肌

透けるような

光弾くような

白い肌



さらわれてしまった

彼らに

奪われてしまった

彼らに



さらわれたのは君

奪われたのは僕

君がさらわれ

僕は君を奪われた



青い月明りだけが

頬を伝うものを映す





“勝手に還るなんて

非道いじゃないか

ねぇ…君は誰と

踊っているんだろう?

残酷だね…

君はいつも美しく残酷だ

笑顔で僕から逃げ続ける

嘆いて僕に縋(すが)りつく

甘く囁くのは彼らのこと

叱責は僕への贈り物

僕を振り返らない

君が好きだった

僕の事を嫌いという

君が好きだった…

何故…

目を閉じたままなんだい?

何故…

その手に触れているのに払わないんだい?

何故…

僕を好きだと言ったんだ?



彼らの嫉妬が君をさらう

今までのは嘘だったのかと

彼らは執念深い



ねぇ…

そっちにいけば

一曲ぐらい

相手してくれる?

僕の相手なんか

しないよね?

そうさ

いつもの君がいい



そうすれば…

誰も僕と君の関係に

嫉妬したりしない

僕から君という存在を

奪ったりしない



嫌いだと言いながら

いつも一緒にいてくれる

そんなあなたを

僕は愛しています”





踊る…踊る…

目も眩むほどに

美しく



躍る…躍る…

惑わせるほどに

狂おしく



高く…高く…

巡る…巡る…



〜fin〜



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