「やあ、ルーシィ。ご機嫌いかが?」

「またあんたは勝手に…!」

「わ、ストップストップ!今日はちゃんと用事があって来たんだよ!」




強制閉門のポーズを取るルーシィを慌てて制して、忍ばせておいたチケットを彼女の目の前に出す。


この日のために用意した、取って置きのチケット。
アカネリゾートの2名様ご招待券。



豪華食事付で、今の時期はパレードなんかもやるらしくて。



僕とルーシィの、お付き合い記念にどうかなと思って、ルーシィに内緒で仕事しながら用意したんだ。



「コレ…」

「最近ルーシィも忙しかったみたいだし、息抜きにもなるかな、なんて…迷惑だった?」

「ううん、そんなことない!…ありがとう、ロキ!」

「こちらこそ、そこまで喜んでくれるなんて嬉しいよ。目一杯楽しもうね?」




ありがとう、と頬を染めて微笑む彼女はとても可愛くて。
それだけで、僕のこの数週間の頑張りが報われる気がする。


ルーシィとふたりなら、きっと砂浜を歩くだけでも楽しいね。














…なんて、そんなのは建前に過ぎないんだけど。




ルーシィ、君は気づいてないのかもしれないけど、このチケット"宿泊"付なんだよ?

つまり僕とそこに泊まるってことで。

もちろん部屋はひとつしか取ってない。




…その意味、君も分かるよね。



そりゃさ、僕だって君の嫌がることや怖がることは出来るだけしたくないんだけどさ。

でも僕も我慢の限界っていうか。


そろそろ次の段階に進んでもいいんじゃないかなって思うんだ。
…うん、ほんと、進みたい。





「何着てこうかしら?ああもう今から楽しみっ」

「ほんと、楽しみだね…?」





チケットを手にくるくると回る彼女に、僕の下心がバレないように笑顔で蓋をする。


こんな僕でごめんね、ルーシィ。
大好きだよ。









(…最上級に愛してあげる)




――――――――――――



某CMから思い付いたSS。

ロキは記念日とかちゃんと覚えてそう。
それで尚且つ、何かサプライズ的なことしてくれると思うんだ。







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