「ゲホッ……ゴホコホッ」



静かな部屋に自分の咳き込む音だけが響く。
喉の奥がいがいがして、唾を飲み込むのもしんどい。

だけど何か水分が欲しくて、ベッドサイドに手を伸ばした。


水……確か置いてたはず……



ぼーっとする意識の中で手を伸ばすと、ヒヤリとした何かに触れた。



「はい、お水でしょ?でも起きて飲んでね」

「ん……ぁ?」

「熱、結構あるね。食欲は?あれば何か作るけど」



背中に入った暖かい手の感触に助けられながら起き上がって水を飲む。

水を飲みながら、かけられた声の方向に顔を向ければ、いつもより眉の下がった獅子の星霊の姿があった。



「お腹、すいてない……ていうか、移るからここ来ちゃだめっていったのに……」

「皆はね。僕は星霊だから大丈夫だよ」

「でも……」

「いいからいいから。た」



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