「何怒ってんだよルーシィ」

「別っ…っつに?何も怒ってないけど?」

「すげぇ怒ってんじゃねぇか…」




ふん、と鼻を鳴らして大股で歩く。
ナツを振り払うように足早になるペースにナツがチッと舌打ちをしたのが耳に届いた。


…何よ、舌打ちしたいのはこっちの方なのに。



思い出すだけでもムカムカする。
こんな思いするなら行かなきゃ良かった。
思い出してぐっと唇を噛んだ、その時、不意にナツが腕を引っ張った。




「とりあえず止まれって。こんなんじゃ話もできねぇだろ」

「…別に、あたしは話なんてないもん」

「嘘つけ、眉間にシワ寄ってんぞ」

「……」

「本当にどうしたんだよ…楽しくなかったのか?リュウゼツランド」



なあ、と肩に回された腕に、思い出したくもない光景が浮かんで、思わずやめて!と振り払ってしまった腕。
そんなあたしの行動に、ナツが驚いて目を見開いた。



「んだよ…」

「……」



「だって…ナツが悪いんじゃない」



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