痛い痛い、と叫んだ。
でも、乱暴だが挿入を繰り返す内に次第に内壁が高崎のソレに慣れてきて今度は別の所が痛んできた。
「はあっあっあ…ぃ、痛ぇ…っ」
「もう…本当君は忙しいね。今度はどこが痛いの?」
「んっふ…ち、ちん、こぉ…はン」
「そう、痛いんだ」
とか言うから取ってくれるのかと思いきや、腰をぐりぐりと押し付けたりしてくるだけだ。
…そんなの余計苦しい。
「…取って、それ…ぁっん…取ってえ」
「だーめ。言ったでしょ。罰、だって」
「…んんん!あっ、ん!はぁっ…!」
高崎の腰使いは上手い。
俺の良いところは全部わかってるようで俺が苦しい時に限って良い場所ばかりを突く。
特に今だ。わっかに締め付けられて苦しいってのにあいつは更に追い打ちをかけてきて、俺の息子を手で愛で始めてくる。
こっちは切羽詰まってるってのに。
……本当性格悪い。
「あっぁっんっ…はぁっんふ…あ、」
「そんなぎゅうぎゅう締めつけないでよ…僕のが好きなのはわかったから」
「し…死ね…っん、くあっ」
俺の片足を肩に抱えた高崎が、内腿に舌を這わす。そして吸い付いたり歯形を付けたりとまぁ好き勝手やってくれる。
でも今の俺にはそれすらも快感に感じられて。
…嫌じゃなかった。
「あふ、はぁ…ん…た、かさき…ぃ」
「何かな?」
ただ…早く楽にして欲しかった。…それだけ。
「ぃ…イかせて、ねぇ…イきたぃ…っお願い高崎ぃっ」
嫌いな高崎にこんなに懇願したのも、腰を揺らしてねだったのも、これは俺の意思なんかじゃない。断じて違う。
でももう、辛いのは嫌だったんだ。
「……へぇ、魔性だったんだ」
そんな俺を見て、高崎は何故か苦い顔をしながらも素直に俺を戒めていたわっかを外してくれた。
「…あ」
「ほら、外してあげたんだから…。覚悟してよ、水瀬…。」
「たかさ、きっ!…あっん、は…あぁっ」
……それから先はもう、俺の記憶にはない。
は、と我に返ったのは互いにイった後ぐらいか。汗だくで、いつの間にかほどかれていた腕を俺は高崎の首へと回していた。
あり得ない光景に一瞬固まったがとりあえずすぐに腕を回収した次第。
「………」
それから直ぐに高崎はどこかへ立ち去り、白い大きなソファーに俺一人が残された。
…まぁ兎に角身体を起こす。でも腰とか尻とかくそ痛すぎてとても自力で起きていられないから背もたれに凭れかかる。
すると目に入る俺の内腿。…紅い点がたくさん。歯形もある。
確か首元とか胸元にも付けられたっけ、と無意識に胸元に触れていた。
……2日連続で高崎に強姦された。しかも男によって男がヤられたんだ。意味わかんない。
こんなことになった理由って……あぁ俺の風紀違反だったっけ…。
じゃあ風紀乱してる他の奴もこんな風に高崎に強姦されてんのかな。
「……………」
…なんか…一瞬変な気持ちになったけど疲れていたしどうでもよかったから眼を瞑った。
すると急激に襲ってくる睡魔。あ、やばい。超眠い。寝てもいいかな、…まぁいいよな、ソファーだし、誰もいねぇし…
うとうと、と気持ちよく眠りに誘われようとしていた時。
「水瀬、」
俺を呼ぶ、今となっては聞き慣れてしまったような声。
「喉。渇いてるかと思ってお水、持ってきたけどいらない?」
「……いる…」
うとうと…しながらも懸命に目蓋を開いた。そこにはさっきまで性行為をしていたとは思えない程爽やかで綺麗な生徒会長様の姿が。
ついさっきまで汗だくだったのに…。
反対に俺は未だ汗だく、ほぼ全裸だし頭もぼんやりしているしで高崎と被る所は何一つない。
何がどうすればこんなにも天と地の差が…?
と思いながらも差し出されたペットボトルを受けとり冷たいミネラルウォーターを一気に身体に流しこんだ。
渇れた喉に染み渡る冷たい水。……最高。
だいぶ潤った、とペットボトルから口を離した時にはもう1/4程しか水は残っていなかった。
「それと水瀬、これ」
ペットボトルの次に手渡されたもの、食い物かと思いきや、
「ッ!佐和から借りたネクタイ!」
渡されたのはぐちゃぐちゃのしわしわの憐れな姿になってしまった佐和から借りたネクタイ。
そういえばこれでソファーに縛りつけられたんだ。それで俺めっちゃ暴れたから…。
「すごい形崩れちゃってねぇ。どうする?それ。買って返す?」
「…それしか…」
「じゃあ3500円ね。それに水瀬のネクタイと校章も足して8000円だね」
その巨額な金額に俺は眼が飛び出そうな程驚いた。
な、8000円?!
「ぼっぼったくり…!」
「ぼったくりじゃないよ。だってこれは学校のネクタイだよ?それぐらいするよ。…ううん。寧ろとっても安い。庶民学生用にだいぶ値段落として貰ったんだから」
庶民…。てゆうかいつからそんなお金持ち学校になったんだここは。
呆然としながら巨額な金銭をどう工面しようかと悩んでいた。
親に言うには気が引ける。なんで佐和くんのまで?って聞かれて上手い嘘なんかつける自信ない。
だからと言ってバイトもしてない俺の財布には1500円ほどしかない。
……かと言って、ネクタイを付けないと…。
「………」
「…?もしかして8000円もないとか?」
顔を覗き込んでくる高崎に図星な事を言われなにも言えない。
「……」
それでも俯いて黙っていたら高崎が口を開いた。
「じゃあ僕が立て替えてあげるよ」
「……え」
立て替え…?俺は顔をあげ、高崎をみた。いつもの王子様スマイルのままだ。でも嘘はついていないよう。
「そう。8000円、僕が立て替えてあげる。そしたら君も明日からネクタイも校章も付けられるし、一件落着だよね?」
「…いいのか?ほんとに?」
「もちろんだよ」
ニコリ、と笑む生徒会長に俺は初めていい奴だ、と思った。………が。
「じゃあその8000円分は、身体で払ってね。」
「…な…?!」
またお前は…っ!と怒鳴りそうになった俺に、高崎は手を伸ばして頬を撫でてきた。
途端に身体が硬直する。
「それ以外は受け付けないからね。…それに、君もそっちの方がいいんじゃない?気持ち良いことも出来て、お金の替わりにもなって」
ニヤリ、と高崎の口元が弧を描く。その笑みは、思い通りなったと言わんばかりで。
「別に俺は…!」
「はい。じゃあ契約の証しにこのネクタイと校章をあげる」
反抗しようと声を荒げたが話しは勝手にどんどん進められ、半ば無理矢理にそれを渡された。
「だからっ…」
「はいはい。まぁ言っておくけどこれは君の為の立て替えなんだから…抵抗はなしね」
「……っ…」
頬から高崎の手が下りてゆく。首を伝って鎖骨をなで、胸を通り腹から腰に腕が回る。
そして腰元を怪しく撫でながら。
「また呼ぶから、生徒会室においでね」
耳元でそぉっと囁いた。