「あっ…ふ…ぁ…」
「紫さん…」
「…っんー…ぁ…ぅ、んっんっ」
紫さんの後孔に突き入れた3本の指をかき混ぜるように動かすと、ぐちゅぐちゅと卑猥な音と紫さんの喘ぎ混じりの声が部屋に響いた。
「紫さんっ!い、意味わかって言ってます!?」
つい、紫さんの発言に驚いて少し大きめの声を出してしまった。
いや、でもしょうがない。これは仕方ないだろう。
紫さんが、急に僕とエッチをしてくれるなんて言うから。
「意味?さあ?よう知らんけど、どんなもんなんやろって」
「……っ僕帰ります」
「ああ帰らんでよ。したいんやろ?すればええやん」
すればええやん!!!?そんな軽い気持ちで自分の身体売るんですか?
僕は今までこんなに我慢してきたのに、そんなあっさりOKと言われても。
「……紫さん絶対後悔しますよ。それでもエッチしようなんて言いますか」
「お前も後悔するで。」
「…え?」
「今しか俺とエッチできへんよ。いつも物欲しそうに俺を見てたお前にはチャンスやろ」
(……あれ…気づかれてた?)
「バレてへんと思た?お前の熱い視線、バシバシ感じとったわ。居心地の悪いのなんのって」
す、すみません…、
なんだか申し訳なくて、僕は項垂れる。
ノンケの紫さんにとっては男から向けられる熱い視線なんて気持ち悪いの何者でもないだろう。
ああほんと申し訳ない…。
「せやからな…お前の望み、叶えてやるで」
「……ぇ…?っと、だから、その」
「ええな?鹿ァ、もっと喜べ」
「い、いや、でも紫さ…」
「ぐちぐちうるさい。さ、エッチしよ?鹿」
紫さんは全く俺の話を聞こうとしない。
……僕は、確かに紫さんとエッチしたかった。だからある意味この状況は嬉しいし、チャンスかもしれない。
しかし、紫さんは酔っているのだ。いくら誘われたからといっても、これが酒のせいで紫さんの本心でなかったら、強姦したことにもなりかねない。正気になった紫さんは必ず怒り、僕を嫌うだろう。
そんな事、してしまったらコンビなんて解散。僕も追放。……そんなの嫌だ。紫さん…僕はまだあなたと一緒にいたいのに…。
「痛くないですか?」
「ふあっ…へ、…変な感、じ…する」
くちゅ、と濡れた音を響かせながら指を抜いた。
だいぶ内壁が解かれてきた。初めは異物に対抗してキツかった内も今は指3本をくわえられるまでになった。
これなら…いけるのではないだろうか。
「…ん…。次、次はなにするん?」
「……」
淫らな紫さんの姿に興奮する。
………でも少し違う。
同意の上の行為…なのにそう思うのは 行き着く先にある結果への不安と、紫さんがいつもと違いすぎるからだ。だから違和感があって不安なんだ。
「………。」
「……しかぁ?…」
どうする?
このまま紫さんを犯すか?
けど初エッチがいつもと違う紫さんだぞ。違和感抱いたまんま、犯すのか?
今日で何もかも最後になるかもしれないのに…僕はそれでいいのか?本当に…?
「…ぉい、鹿ぁ…なにしとんねん…」
「……紫…さん。僕やっぱり……」
「………へたれ」
ぐりん、と突然世界が回った。一瞬何が起こったのかわからなくて、何秒か経ってから自分がベッドに押し倒されていることに気付いた。
紫さんに逆に押し倒されたんだ。
「…なっなにして……」
「寸前で逃げるなんて許さへんよ」
「ちょっちょちょ…っ」
逃げるって!
こ、この人、ほんとに酔っているのだろうか。まるでシラフの時のように強い言葉と力。
一瞬で力関係が逆転されてしまった。こんな風に押し倒されるなんて初めてだったから、身体に跨がっている紫さんが次に何をするのか。ハラハラとしていたが予想は的中したようで。
紫さんはいきなり僕のズボンのベルトを外しにかかったのだ。
「…っだ!ちょっと待って…」
そんな僕の制止なんてものともせずにズボンの前は寛げられ、下着もずらし。
恥ずかしながら既に完勃ちの僕の息子さんが紫さんの手によって取り出された。
「へぇ…。イケメンで尚且つココも立派か。お前の欠点なんてへたれだけやな」
ジロジロと嘗めるような眼で僕の息子さんを観察する紫さん。
そんな風に他人に見られる事なんて無いから恥ずかしくて、居たたまれない気持ちになった。
「あ…あの、そんなジロジロ…」
「うるさい。ちょっと黙っとき…」
「……んっ」
抵抗なんかする間もなく、僕のモノに紫さんの手が指が絡んだ。
……やばい。紫さんが…僕の抜いてくれてる…
「…ん……ん」
それだけで達してしまいそうだったけれど紫さんは数回上下に抜いた後、手を離してしまった。
「随分良さそうやったなぁ」
「…は…、すみません」
「なんで謝るん?まぁええけど。…さ、鹿シよ」
「…はい……。って!ちょ!ちょっと待ってください!今更あれですけど僕やっぱり今日は」
ガッと紫さんを止めようとすると、ぎゅうと眉間にシワを寄せた紫さん。
あれ…もしかして。
「……決めた事をコロコロコロコロ変えるんやない。だからへたれ言われんねん!」
「へ、へたれなんて紫さん以外には…」
「そうゆうのもや!すぐ捨てられた犬みたいな顔しよって!それでも男なんか?少しはらしい根性みしてみぃや!」
「し、紫さん……」
あぁ…。完全に紫さんの怒りスイッチが入ってしまった。罵倒の嵐だ。
こうなってしまったら最後。説教が終わるまで大人しく受けるしか方法は…。
「鹿…。だから俺に、見せてみぃ?男らしいとこ」
「……っ!紫さ…っ」
紫さんが急に優しい顔になって驚く。しかしそれと同時くらいにまたモノに触れる。
そして起立している僕のを、紫さん自ら 後孔に宛がって
「……っぁっああぁ…っ」
「……ぁ…っ」
腰を下ろしたんだ。