「あ、あった」

と、ベッドサイドのどこかから発見されたローションを手に紫さんが戻ってくる。

「もーお前周り汚いねん。整理整頓せぇへんからこうやって直ぐに物が見つからないんやで」

まるで母親のように僕を叱る紫さん。でもその手にはローション。


………本気?
もう、どうしたらいいのかわかんなくなって 紫さんの腕を掴んで止めた。

「…ほんとに…エッチするんですか」

「…嘘でこないな事言わへん」

そうだ。確かにそうだ。
でも、初めに起きてしまった事を考えるとこんな風に流されてエッチするのはいけないと思ったから。


「疑ってる訳じゃないんです。ただ、紫さんが本気じゃないのにしようとしてるんなら…」

「それ…疑ってるゆうんやない?俺が、初めてした時みたいに誘って来たくせに怒ったりする、思おてるんやろ」

「…いやっあの…」

「違うで。」

「……、」

「違う。あの時とは違う。喜ばしたいからとか、興味本位とかじゃなくて。
今は本気で鹿とエッチしたいって思おてる。本気で…ひとつになりたいって思おてるんよ?だって俺ら恋人同士やん。」

それでも拒否る?



そう首を傾げる紫さん。


…僕には……嬉しい、答えだった。
大好きな紫さんに本気でエッチしたいと言って貰えたのだから。



僕の上に跨がる紫さんをそっと押し倒して位置を入れ代わる。

そして手を繋いで指を絡ませて…。


「僕も…紫さんとひとつになりたかったです」

ずっと。ずっと想っていた。いつか紫さんとひとつになりたい、と。
しかしそれは叶わないと諦めていた。

でも、紫さんは僕とお付き合いしてくれて、さらにキスも抜き合いっこもさせてくれた。僕はそれだけで満足していたんだ。

でもその先を望んでいない訳ではないけど、それは紫さんが心の整理が出来て僕を受け入れたいって本気で思ってくれたらの話。
だって僕だけが求めて最後までしてしまったら傷付くのは紫さんだとわかっていたから。


だから僕は、普段の紫さんから求めてくれるのを
静かに待とうって。

………それが、今だ と言うんですね、紫さん…



「……大好きです…紫さん」

「うん……」












「…やっぱり、キツいですね…。」

「くっ…ぐ…はっ」

ローションでたっぷりと濡らした指を 今紫さんは3本受け入れている。
でも久々…とゆうか初めてに近い紫さんの後孔はもうぎちぎちで、指3本がやっと…という状態だった。

本人も辛そうで。

「紫さん、今日は慣らすだけで終わりにしましょう?無理して切れちゃったりしたら大変ですし」

「いややっ!今、更…止めたくない…んっ」

「…ですが…」

意地、なのだろうか。今更引き下がれない、と 辛いだろうにそう言う。

「…やめたない!鹿と…っエッチする…!」

仰向けになって脚を開いていた紫さんが、僕の首に手を回して上半身を起こした。
そして必死に、止めたくないとアピールするように短いキスをしてくる。
それに俺も応えながら、意思を固めた。


「……わかりました…。でも無理になんてしません。ココが解れるまで、待ちます。長期戦は覚悟して下さいね」

空いている片手で頭をそっと撫でると、紫さんは嬉しそうに微笑んだ。










それから、どれくらい解していたのかわからない。
お互い夢中でしていたから時間なんて気にしていなかった。


「…く…はぁ…っ」

「だいぶいい感じですね」

ゆっくりゆっくり解したおかげか、良い感じに受け入れてくれるようになってきた。
紫さんの反応も段々良いものに変わってきて、前立腺を刺激すると自ら腰を動かしてくれるまでになった。


「はぁはぁ…な、なぁ、もうそろそろ…ええんやないかな…」

「……紫さん」

潤んだ瞳でそう問うてくる紫さんに、心臓がばくばくと激しく高鳴り始めた。

「もう…大丈夫そうですか…」

「平気や。もう…、指じゃ足らん」


そのセリフに、一気に理性が本能に喰われた。
問答無用に紫さんに襲いかかろうとする身体をなけなしの理性で必死に抑えて
僕は自らを宥めるように態とゆっくりとベルトを外し、パンツも下着もずらして既に完勃ちの息子さんを取り出した。

「…はは、やっぱいつ見ても立派やな…」

「こんなにしたの紫さんのせいですからね」

「はいはい、ちゃんと責任とるから」

そう笑って脚を開いた紫さん。

「…………きて」




誘われるがままに紫さんの後孔に僕のをあてがって
そのままゆっくりと腰を進めた。

しかし、途端に紫さんの顔が歪む。

「…んっ…く…っ!」

「痛い…ですか…っ」

奥に、奥にと進む度に紫さんは辛そうな表情になっていく。シーツを力の限り握りしめ、身体も強張ってしまってる。

僕は耐えきれなくて腰を進めるのを止めた。

「はぁ…っはぁ…」

「紫さん…」