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「…あっあっ、イくっ!ィっ…くぅ、あっああァ…っ」
びくんっと身体をしならせて達する。押し出されるようにして性器から精液が溢れてくるが、もう何回もイかされてるため、色は薄くなり 吐き出された精液は如月の手を伝い自らの腹の上に溜まっていく。
「へばるなよ。まだまだイき足りないんじゃないのか?」
「もっ…もう、もうイけない…っ空っぽだっ、て」
ぐったりとしながら首を振るが如月は聞かない。
また腰を揺らし始める。
「っだから…っぁ、あ…」
さっきはイきたくて仕方なかったけど、強制的にイかされるのってこんなに辛いものなのか。鎖の外された手で如月にしがみつきながら思った。
「はっ、は…っぁっん」
「とか言いつつ感じてる。ならイけるだろ?」
っだからもう出るもんないって!
如月はまだ1〜2回しかイってないからそんなこと言えるんだ。俺は人生で初めてこんなにイかされて疲労困憊のギブアップ。
さっきから白旗あげてんのに如月は無視しやがるんだあんのバカヤローっ!
「は…っァ、…ぃっ…ああっ」
とか言いつつ結局昂ってきて、また絶頂を向かえようとした。が、
「…あ、ぇっんっ…!ん、んン――っ?!」
その時、いつもと様子が違うことに気付く。
イったことにはイったけど まるでずっとイってるような、長い長い絶頂に襲われる。なんだよこれっ…こんなイき方したことない…っ!!
……俺は恐くて、目の前にいた如月に抱き着き、勢いで首筋に噛み付いた。
「痛っ」
「―んぁっ!あ―っ…ぁっ…ふっ…」
長い絶頂がやっと落ち着き始めても身体はビクビクと跳ねて言うことを聞かない。震えながら如月に抱き着いていた。
「気持ち良かっただろ?空イキ」
「っはぁ…、は…空…イキ…?」
震える俺を珍しく優しく撫でながら言った。
「射精をしないでイくことだな」
そう言われてギョッとする。男が射精しないでイくなんて信じられなくて自らの性器を確認してみたら確かに先走りばかりでイった形跡はない。
とゆうか如月にも触られてないのにあの絶頂をしたのだ。空イキとはなんとも恐ろしい。
「それよりどさくさ紛れに首筋噛んだだろお前」
さっきの優しい手付きはどこへやら。頭をがっしり掴まれ指摘されたその場所をみれば そこにはくっきりと俺の歯形が。
しかも血も滲んでる。やべえあの時はいっぱいいっぱいだったから力加減なんかしてなかった如月すまん……なんて謝ったって許しそうもないな如月は。
「…わ、悪かったよ…」
だから少し悪びれて謝ってから如月の首筋を犬みたいにペロペロしてやった。
飼い主様を労るように。
「…いつもこうなら可愛がってやるんだが」
「…っあン…」
…思惑通り…!
なんて思ったけどそれからはまたまたイき地獄をみせられ俺は忽ち意識を飛ばしてしまったのであった。
◇◇◇
…いきなり頭を叩かれて俺は目を覚ました。なんという最悪な目覚め。
「ってぇ…!誰だよばか!」
「俺だ。いつまで寝てんだバカ犬」
目を擦り擦り声のした方を向けば如月が機嫌悪そうに仁王立ち。…お怒りの様ですが今度は何をそんなに?
「いつまでってお前さぁ〜。あんなにイかされたら眠たくもなるだろぉ?」
「だからって昼まで寝てんな」
へ?昼?
昼?昼?
「もう次の日の昼だアホ」
「…っえぇ―――!」
通りで計算が合わないと思った!だってあんなに酷く躾をされたのが昼休みカラ〜の出来事。それで今が昼っておかしいなぁって思ってたんだ。
なるほど次の日なんだな!丸一日近く寝っぱなしだったんだ俺!
「学校に泊まっちゃったんだぁ」
寝癖で跳ねまくる髪を触りながら言った。…あり?そういや俺全裸じゃん。それになんか…髪がいいにおい。
「ったくいい迷惑だ」
「お前、俺を風呂に入れてくれたのか?」
「汚くてベッドに置いていたくなかったからな」
如月は表情一つ変えないで言った。まぁそれは本心なんだろう、確かに汚かったし。
でもベッドから、如月のにおいもするのは、
「如月も一緒に学校泊まってくれたんだぁ?」
「…犬を置き去りにして帰れるか」
愛犬心から、と言うことか。だとしても如月の事、うざかったり面倒だったりすれば俺が寝ていようと関係なしに 叩き起こす事もできた筈…なのにそれをしなかったのは、一体どうゆう風の吹き回しだろうか。
…まぁ俺如きが考えた所でバカだから答えは出ないだろうけど。
「まぁ俺は狂犬だかんな」
俺を扱える人間は一握りだけって事は強調しておくぜ、飼い主サマ?
ハンッと笑み、そのままかっこよく決まりかけたのに、
「首輪を付けられた狂犬、な」
ざまあ、と言うように笑われてはっとすれば、首にあの真っ赤な首輪がまだついていた。鎖はベッドに固定されている。
「っこれもういいだろ!外せって!」
「は?"ずっとつけててもいいから"って懇願したのは何処の誰だ?」
「…うぐ」
そういや言ったんだ。
ごめんなさいって謝ったのに 如月は挿れてくれないから、流石の俺も焦れて
『っ首輪…ずっと付けててもいいから…!』
って声高々に…。
「…言ったけど…けどぉ」
「自分の発言に責任を持つんだな。つけてるって言ったのは、お前だぞ?」
何度も強調する如月にムキーッときて、…でも俺も確かに言ったから如月にあたる事も出来ずベッドの上でのた打った。
「約束だ。首輪、外すなよ?」
「へ…?え?そ、外は流石に良いよなぁ…?」
無表情だった如月の口許が途端に弧を描く。
「ダメに決まってんだろ」
淡い期待も見事に打ち砕かれ、俺もう泣きたい…っ!
唇を噛み締めながら反論も出来ず、如月を睨み付けることしか出来ないなんて、なんて憐れなんだ俺。
「…もう俺帰るっ」
「帰れば」
引き留めもしない如月に腹を立てつつ 勢いよく立ち上がろうとしたら、鎖がベッドヘッドに繋がっていたことを忘れていて……盛大に後ろに引かれ転んだ。
「っぅ…いてぇ…!」
「バカめ」
「…っ!!バカバカ言うなバーカ!そうゆうこというやつが一番バ」
「あーはいはい、ったくガキかお前は。低レベルな脳ミソだな」
むっか〜〜っ!!!
流石にバカにされすぎてキレたぞ俺は!
殴ってやろうと、今度は首輪に繋がる鎖の長さを考慮しながら起き上がり、思いっきり如月に向けて腕を伸ばした。
…すると意外にも手が届いて、掴んで引いたらなんも抵抗もなく如月が俺の上に覆い被さって来たからさぁ大変。
俺も如月にベッドに押し倒される形になって、こんなに密着するのは…セックス以外ではあり得ない距離だ。
ち、近すぎて殴れないんだけど…!
「なんだよ?暴力振るうんじゃなかったのか?」
如月の吐息が鼻の頭に触れて不意のことにドキッとする。
「殴る…けど」
言葉と共に結んだ拳だが、如月にベッドに縫い付けられてしまう。もちろん両手。
「さぁ殴れば?」
「っぐれる訳ねぇだろ!」
「…そうだな」
そしてまた、にこり、と笑ったのだ。また、優しく頭を撫でながら。
「〜〜〜っ!!」
「早く服着るんだな」
あっさりと俺から離れながら如月は言った。それから再び仕事を始めるため机に向かう。
……っまた…また…
………優しくされた…!!!!
俺は訳がわからなくて気付いたら叫んでいた。
「なんっなんだよ――!!!!!」
「うるさいぞ」
ワケわかんない。ワケわかんない!
そうやって不意に優しくするなんてズルいんだからな!飼い主サマだか何だかしらねぇけど
俺は…俺は…っ!!!!
「だっっっい嫌いだあぁぁああ!!!」
お前なんか大嫌いだっ!
少し早く脈打つ心臓を無視しながら、俺は喚き続けていた。
END