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「高崎さん!良かったら泊まってったら?」
「…ぇ゙…?」
母の言葉にまさか聞き違いかと思い、俺が不穏な声をあげた。
え…っお泊まり…だと?
「明日学校もお休みだし、いいじゃないお泊まり」
「しかし、夕御飯までご馳走になった上に泊まらせて頂くなんて…」
「そっそうだよ!それに客人用の布団だってねぇし」
遠慮をする高崎に便乗してなんとか泊まりは回避しようとする。だって…そしたら何されるかわかんないし、今日来ていきなり俺んちに泊まるなんてちょっとまだ心の準備が…。
「布団なんて2人付き合ってるんだから、貴裕の布団で充分でしょ」
「……――っ…!」
まさかのひとつのベッド?!それを家族に薦められるなんて?!
「ね!だから高崎さん、遠慮なさらず!」
「みなさんがそう仰っていただけるのなら…お言葉に甘えて」
押しに押されて最後に妹の説得もあり、お言葉に甘えて高崎が折れてしまった。こいつ…短時間で家族からこんなに好かれやがって…。
…とゆうことは高崎は今日俺んちに泊まる。一緒に寝るなんてことは人生初、付き合って初の事だ。(なだれ込んでヤって寝るってのはよくあるけど)
………なんか俺、ベッドで安眠出来る気がしねぇ…。
◇◇◇
「貴裕の家族って明るくっていいね」
もうお互い風呂を終え、俺はせめて少しでも部屋を綺麗にすべく、片付けていると見よう見まねで高崎が部屋に散らばる漫画を纏めながら言った。
「悪いな、手伝わせて」
「構わないよ」
風呂に入ったというのに片付けなんて。と思いながらも床に座れるぐらいには空間が欲しいから衣類は洗濯、漫画は棚へ、もとあった場所へ戻す。
「まさか…付き合ってること、家族に言うとは思わなかった」
「ふふ、そう?」
漫画の順番を整えながら思い出す。
あの驚いた家族の顔。
そりゃ、息子が男連れてきて付き合ってます。なんて笑えないだろうけど。
「でも僕は、自信あったから」
「なんの自信?」
「受け入れてもらえる自信」
…それは高崎が二次元な顔してるおかげだろ。じゃなきゃ母や妹が認めないし、高崎にあんなに良くするわけない。
「すげぇよ、本当…高崎は」
顔も良くて頭も良くて、要領も何もかも良くて。
なにもかも俺の真逆なのに…俺にはなにもないのに高崎は俺の恋人で。俺に好きだという。
疑問符だらけの関係すぎて俺は無意識にそうぼやいた。
「貴裕だって、すごいよ」
部屋に凛と響いた声。
と、同時に後ろから抱きすくめられた。
「可愛くて、愛しくて、すごく大切で、でもたまに虐めたくなる」
「お前……恐いよ」
「感度ばっちりだし、僕ら、身体の相性もとってもいい」
「なんだよそれ…」
「いつも喧嘩腰だけど本当は照れ隠しだったり、誰よりも優しい心をもってるけど悪く振る舞ったり、何だかんだで僕のこと大好きでいてくれてるのも知ってるよ」
「…………」
そこまで言葉を列べられると恥ずかしくなってきて下を向いて顔を隠す。だって赤くなってんのバレたくないし。
けど高崎はそんなの承知済みのようで俺の耳をはみ、シャツの裾から手を入れてきた。
「…っちょ…!」
「顔見せて」
「…やだ」
驚いて振り向きそうになるのを 寸前で止めた。振り向いたら高崎の思う壺だと思ったからだ。
「へぇ〜」
ならばこうしてやる、とでも言うように片手で乳首を弄り、片手はまさかのスウェットの中へ。
「こっ…こ、ら…」
手は容易に下着の中へも入り、きゅ、とモノを掴まれた。
「っん…、たか…さ、き…ぃ」
「こっち向いてくれる気になった?」
後ろから攻められ、前に手を付いたが、なんとか堪えて首を横に振る。
…絶対、向いて、なるものか…っ
「強情な君も可愛い」
俺のを器用に抜き、乳首をつねり首を甘噛みしながら楽しそうな声色で
「すごく、虐めたくなっちゃうよ」
変態染みたことを言った。……まぁ、それにゾクゾクしてる俺も…
きっと変態だ……。