彼と僕の間には断絶がある。彼の言葉を僕は解せないし、同じものを食すわけでもない。それでも彼と僕の関係は良好だ。ただ、一度だけ、彼は逃亡した。逃げ出した彼を連れ戻してから、良好さは、抉れた肉が透ける、ひきのばされた平穏になった。傷をふさぐことに躍起になって、見目においてのそれを達成した途端、僕らはそこから動けない。
 それ以来、僕は彼の言動を素直にうけとれない。微笑みは怒りで、肯定は嘲り。そう勘繰らずにはいられない。
 僕らはもとに戻れないのだろうか。
 鳥籠の中で、彼の嘴がわれた。

「コンニチハ!」

 僕の家に来て初めて、彼がしゃべった。


(つくりだしていくこれから)


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僕とキュウカンチョウ-
Oxygen shortage/酸欠
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作者/さきは

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