奪いたい。
お前の国も地位も何もかも。
















欲望




















「ギャンレル王!争いは何も生みません!」
「うるせぇっ!てめぇらの国が俺達の国にした事を忘れたってか!あぁっ!?」




エメリナがいつものようにキャンキャン喚くが関係ねぇ。
イーリスの民など、殺し尽くしちまえばいい。





「前王の罪は謝ります。お願いです……。罪の無い民を傷付けないで…っ!」


膝を付いて民の為に頭を下げる。
こいつは分かってねぇ。
お前んとこの国民に罪がねぇだと?


イーリス前王のバカっぷりのお陰で、ガキのお前が王にさせられて。
それこそ何の罪もねぇお前に、前王への恨みをぶつけ、石を投げ、罵倒し、お前を苦しめたのはどこの国民だ。


お前が国民の為に尽くすと、今度は聖王だ何だと祭り上げ、お前をその地位へと縛り付けたのはどこの国民だ。


ペレジアか?違ぇだろうが。



ガキの頃から自由を知らず、城に、国に、地位に。
そんなもんに縛り付けたのは誰だ!





「イーリスなんぞ消してやる」
「ギャンレル王!!」
「なら、炎の台座を渡せ!そして全てを捨てろ!その地位を、イーリスの国を!」
「………………出来ません」
「それじゃ、仕方ねぇな。戦争しかねぇ!」









消してやる。




罪深いイーリスの人間を。
お前を縛り付けている国を。地位を。




そうして、ただの女になったお前は見物だなぁ?
俺を憎むか。
それとも、持ち前のお優しさで俺の罪さえお許しになるんだろうか。


どっちでもいい。
とにかく、イーリスの国を滅ぼしたら、是が非でもお前をペレジアに連れて帰る。




お前の欲しい物を全て用意してやる。
お前のしたい事を全てさせてやる。


何でもいい。お前の望む事を全てやり尽くして。
気に入ったならペレジアに残ればいい。
飽きたら、ペレジアを出ればいい。


何だったら殺されてやってもいい。

それをお前が望むなら。






























奪いたい。
お前の国を、地位を。













お前の心を、身体を。























お優しい聖王様には分からねぇだろうが、きっと俺は誰より欲深い。













▽▽▽
ギャンレルさんがエメリナ様に片思いしてたら可愛いんじゃないかと思いましたが、まずしゃべり方がよく分かんなかったです。
書いててGS3の桜井兄を思い出しました。




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