暁in回転寿司にて。

今日も今日とて仲睦まじいサソリとデイダラはカウンター席に仲良く座る。
デイダラは慣れない回転寿司をきょろきょろ。


「いやー、回転寿司なんて久しぶりだなぁ、うん」

「今日は珍しくリーダー払いらしいからな。よし破産させてやろうぜ」

「オイラは優雅に食べるからやるなら旦那一人でやってね」


気が殆ど寿司に向いてしまっているデイダラを振り向かせようと、冗談とも言えぬ冗談を言うサソリだが、一向にこちらを見ないデイダラが面白くない。
むしろどんどん寿司を見る瞳だけが輝いていく気がする。


「うわなんか「アイツハブろうぜ」って言ったら「そんな事しちゃ駄目だよ」ってみんなから言われる小学生の気持ち」

「さてまず玉子…」


玉子。
成る程デイダラらしいといえばデイダラらしいチョイス。初々しさ満点の19歳チョイスとも言えよう(そんな事はないのだろうが)。

「19歳なら普通魚とかからいくよね?」
と言いたげなメンバーの面々の視線の訴えなど見ず知らず、サソリは滑降のデイダラ弄りネタを手に入れそれを実行するのであった。


「玉子?ププッ、さすがデイダラちゃんはお子ちゃまでちゅねー」

「ウザアアア!そういう事はせめてご飯食べられる身体になってから言ってくれるかなあ、うん」

「はァん?なめんなクソダラ。俺だってその気になりゃメシくらい食える様になるんだよ」

「ふーんじゃあやってみなよ」

「テメェ信じてねえだろ。チクショー絶対驚かしてやる」


傀儡の身体でどうやって寿司を食べるのかは分からない。どうぜ言ってるだけだろうと、はなから期待などしていないデイダラ。


「さて海老食べるか、うん」


と、既に頭の中は海老色である。

デイダラの気がまたしても寿司に…。ここでくじけては旦那の面目丸つぶれである。
さっきからチラチラとこちらの様子を伺うメンバー達の視線も限界だ。


「あくまでスルーしやがるかこのガキ。…その海老よこせ」ヒョイ

「なにすんだオッサン!」

「黙れ(^^)さあさあ皆さんお待ちかね!人傀儡サソリン様のミラクル食事ショーだよおおお!」


そう叫ぶなり、サソリは何を思ったかカウンターに上がって店中に響き渡るくらいの音量でミ●ターのアレ…ヒップダンスの部分を歌い始めた。


「いきなりなに?やめてェ!頼むからそんなくだらない事で回りに迷惑かけないで!ていうかそこは普通踊る所だろ!」

「よしデイダラしかと見とけよ」

「取り敢えずカウンターからおりてくれない?うん?」

「此処に海老が一皿ありまーす」

「無視かロリコン」

「黙れクソマゲ」


ちょうど流れて来た蟹汁をデイダラの頭にバシャっとかけるサソリ。


「あづァァァ!なぜに蟹汁?なぜに蟹汁かけた?ロリコンに過剰反応しすぎだろアンタ!」

「今からこの海老を体内に取り込みまーす」

「食べるんじゃないのかよ!」

「たりめーだろ。俺の身体には核と腸という名のワイヤーしか内臓らしい内臓がないんだからよ」


何故か誇らしげにワイヤーを叩くサソリ。
デイダラはかかった熱い蟹汁をお手拭きで拭いた。ああ臭う。


「このペテン!」

「お前もう黙ってろ。では海老、いっきまーす!」

「え、マジで食べちゃうの?身体大丈夫なわけ?うん?」


ウィィィン

ギギギギギギ

メキョ、ポンッ


「はいこの通rおぼろろろろ」

「アンタなにやってんのおおおお?!ていうかこれ読者にはなんも伝わらねーから!しかもこれGINTAMAのパクリじゃね…」

「説明しよう!海老を口腔内に入れた俺様は海老の形を崩さず呑んだ。そしてそれは俺様の喉を通過し、腸という名のチューブへ到達。海老はその中を滑り滑り…だが俺様の身体にはそれらを排出する場所(※配慮)がない。だから俺様の身体はそれを察知して、チューブが海老を押し出す働きをし、また戻ってきたというわけだ。吐いたわけじゃないの。おわかり?」

「説明が長ェんだよおお!それだからパクリだって言われんだよおお!つーか明らかに吐いてたじゃねーか、うん!」


爆発袋の緒が切れたデイダラは、サソリの胸倉を掴んでブンブン揺さぶる。
それにあまりこたえた様子もなく、サソリはフッとそんなデイダラを鼻で笑って、文字通り吐き捨てられた寿司を指差し、こう言った。


「よく見ろ。これは胃液じゃなくてオイルだ」

「パクリはいけませェェェェん!!」








痛「あいつら…食べ物を粗末にして…」

角「明日からの創作費削減してやる」




END

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