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▼ お祝い

「誕生日おめでとう!冬獅郎!」

そう言って飛びつくのは、梨沙。
日番谷は、眉間に皺を寄せ梨沙を見て

「日番谷隊長だ。何回も言ってるだろ」

そう冷たく言い放つ。
その言葉に梨沙は恋人同士なのだからいいのではと思う。
そこへ明るい声が飛ぶ。

「梨沙ー、気にすることないわよ。いつものことでしょう?」

言われてみれば確かに散々日番谷に隊長だと言われ続けていた。

「だって…折角の誕生日ですよ…?会ったら真っ先に祝おうと思ってたんです。なのに……もういいです。仕事します…」

珍しく落ち込んだ様子の梨沙に日番谷は焦った。
いつもならあのような事を言われても落ち込まずにいいじゃないですかぁー?とか言ってくるのに対し今日は落ち込んでしまった。
どう機嫌を直すか考えている間に梨沙は居なくなっていた。

「松本、あいつはどこに行ったんだ?」

その言葉に乱菊は驚いたような顔をして

「あれ?隊長聞いてなかったんですか?お茶を入れてくるって言ってましたよ?」

「…そうか」

しばらくしてから梨沙はお茶を持って戻ってきた。
お茶を置くときに日番谷に対しては机の上に思い切り湯呑みを置いたのでお茶が少し溢れる。

「おい、なにかの嫌がらせか?」

日番谷は眉間の皺をさらに深くして言う。
梨沙は何も思ってないような顔で

「知りません、被害妄想ですか?するのはいいですけど度が過ぎるのもいけませんよ」

その後も気まずい空気が流れ夜になって皆仕事を終え自室に戻っていた。
結局話せなかった日番谷は梨沙の部屋を尋ねることにした。


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