知ってる子が居た。この子は所謂顔見知りだ。別に仲が良いわけじゃない。よく見掛けるけど一緒に遊んだことはないもの。だからどんな子なのかは知らない。僕より背が大きいことと、とっても力が強いことしか。あと友達が多いみたいだ。いつも誰かと一緒居るよ。そして何故か、僕は彼を見るとよく転ぶんだ。そうそうこんな風に、まるで地面に平伏すように。何故だろう。けどね、一番不思議なのは僕が転ぶ瞬間いつも決まって足が痛くなることと、いや、だから転ぶのかもしれないけど、どういう訳か彼が嬉しそうに笑うんだよ。まるでしてやったりとでも言ってるみたいじゃないか。その笑顔が何から来るものなのかいくら考えても分からない。だけと彼があまりにも嬉しそうに笑うんもんだから、僕も笑ってみせるんだよ。そしたら急に笑顔じゃなくなるの。なんでだよ。みんなで笑えば楽しいんじゃないのかよ。僕は彼のことがよく分からない。(知っている子が居た。足を掛けられた。回避出来ない私は彼の思う壺というようにそのまま地面へ平伏す。痛い。いつになっても学習出来ない。それも痛い。痛い子。アスファルトを肌に食い込ませてにやりと笑ってみせた。すると彼は一瞬だけ気持ち悪そうな顔をしたが私はそれを見逃さなかった。口に砂の味が広がる。)このまま地球を食べちゃうぞ。

20110823