09/11/27〜10/01/31
X・ドレーク

だいて



「…………今、なんと云った?」
「“抱いて下さい、ドレーク船長。”です」
 もー我慢出来ない!
 船長ったら、三ヶ月前に相惚れの仲になったと云うのに、一向に“その気”も出してこない。
 それって、女としてちょっと傷付く。
「!? な……なっ……なァッ……!!?」
 船長はと云えば、顔を真っ赤にして目を見開いて、口をパクパクさせている。
 そんなに私がそう云う事を云うのが驚きか。
「もう子供扱いしないで下さい。私だってセックスのイロハだって知ってるんですから」
(せっくすのいろは!?)
「それともそんなに女としての魅力が無いですか?」
「ち、違っ」
「それとも……私、遊ばれてるだけなんですか?」
「お、おい……」
「船長の“好きだ”って言葉は……冗談だったんですか……?」
 ポロポロと零れてくる言葉と一緒に、涙まで零れる。困らせたい訳ではないけど、止まらない。
 船長にとっては下らない事かもしれないけど、私は誰も知らないドレーク船長の温もりを独り占めしたいと思ってしまうから。
「泣くな……」
 ふわりと頭を撫でる感触に顔を上げれば、困った顔で頬をかく船長と目が合う。
「ひっく……だって……」
「泣かせたい訳ではなかったのだがな……。その、何だ……」
 ドレーク船長の顔が再び顔が赤くなってゆく。
「す、好き過ぎて……どうしたらいいか……分からなかった、んだ」
 すまない、と云ったドレーク船長が好きで好きで、どうしようもなくて。
 思い切り抱き付いたら、ぎゅっと抱き締め返された。
「今夜、おれの部屋に来い……な?」
 低い声で耳元で囁かれて、頷く代わりにキスを一つ落とした。









 Fin.










→→→→→→
 赤旗様でした。
 お題見た瞬間に、ヒロインがドレーク船長に迫るシーンが浮かんだので。ヘタレなのか紳士なのか。

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