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「??? どういう意味? それって海賊用語?」
 ナセがそう云った途端に、ドフラミンゴがフフフフ!!!! と盛大に吹き出したので、すぐ傍のナセはとんでもなく驚いた。
「なっ、何っ? 何なの!!?」
「フッフッフッフッフフ!! フフ、フッフッフ!!!! こりゃ面白ェなァ!!? そうか、ワニ野郎はまだ手を出してねェってーのか!!! 何だそりゃァ、フッフッフ!!! 可笑しくて死にそうだぜ!!?」
 ドフラミンゴの服のピンクの羽が、動きに合わせてゆらゆらふわふわと揺れるナセはそれを睨みながら、ドフラミンゴが笑い終わるのを待っていた。
「そうかァ……じゃ、お前はどうなんだ?」
「へ、私? 何が?」
 紫色のレンズが再びずずいと近付き、ナセは居心地悪そうに顔をしかめる。
「ワニ野郎の事はどう思ってんだ? どんな経緯でお前がワニ野郎と居るのかは知らねェが、少なくともワニ野郎はお前の事を気に入ってんだろ」
 ドフラミンゴの言葉に、ナセは大きく目を見開いた。
「そうなの? サーは私の事気に入ってくれてるの? 何で分かるの?」
 論点がズレた事にドフラミンゴは肩をすくめ、またワインを飲む。ナセもワインに口を付けるが、少し酒が回ってきた気がして、もうやめておこう、とグラスを置いた。
「そりゃお前分かるぜ? まァ、この話は置いといてよ……お前はどうなんだ、ナセ」
 酒が回って体が重くなってきたナセは、ドフラミンゴに体を預けながら、ん〜と声を零す。
「サーは大好き。でも、それが何か?」
 ナセの真っ直ぐな答えに、ドフラミンゴは感心したように頷いた。
「ほォ……! こりゃイイ事を聞いたぜ。まァ、おれの質問の答えとすれば間違ってる気がするがな」
 フッフッフと、ドフラミンゴは体を揺らす。ナセの体もそれと一緒にぐらぐら揺れた。
「間違い?」
「んあァ、こっちの話だ――フフ! 面白ェな、お前」
 笑いが止まらないドフラミンゴのモフモフに顔を埋めながら、ナセは瞼が重くなるのを感じていた。
(ああ、私、お酒飲むと眠くなるんだった……)
「おい、眠ィのか?」
「うんー……このモフモフ気持ちいい」
 ドフラミンゴの上着を小さな白い手で掴んで、眠たそうな顔で微笑むナセに、ドフラミンゴはペロリと舌を出して上唇を舐める。
「フフ、フフフ!! んな可愛い顔してっと襲っちまうぞ、ナセちゃん」
「んー……」
 ナセは、ドフラミンゴのあぐらの中にすっぽりと収まり、既に寝息を立てていた。
「んだァ? もうおねんねか。可愛いねェ……――なァ、ワニ野郎?」
 ドフラミンゴがそう云った瞬間、ドアが砂になって崩れ始める。

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