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そこは太陽の光も届かぬ場所で、暗くじめじめとしており、始終冷えるところだった。
ただ、夜目の利くFirst nameにとっては暗さなど大したものではなかった。それよりも、無残な姿に変わり果てた娘たちに目を瞑りたい思いだ。
「ピンクちゃん、そっちの子は大丈夫?」
「はい、どの娘も怪我自体は命に関わるものではなさそうです」
「そう」
良かった、とは言えなかった。きっとどうせなら殺して欲しいと思っているだろうから。それでも私は彼女らを生かすけれど。
「Family nameさん、それでどうしますか?」
「うん、そうだね」
さっさとこんな穴蔵出てしまおうか。王子様の助けを待つお姫様なんて性に合わないし。
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